研究概要 |
本年度においては、これまでに開発してきた,都市光分布を用いた人口・建物棟数推定手法の精度の向上、早期被災地推定手法の自動運用による実績の蓄積と、推定特性の分析をおこなった。また、成果の一部は被害状況把握支援の一環としてWeb上にて公開した。 人口・建物棟数推定手法に関しては,ある観測期間における画素毎の観測値の分布形状を考慮することで、都市光強度をより高い精度で推定する手法を開発した。これにより、ゲイン制約により飽和しがちであった大都市域内部においてもより高い精度で、人口・建物棟数推定が可能となった。DMSP夜間可視画像を用いた人口・建物棟数推定の空間解像度を高解像度衛星画像と、GPSデジタルビデオカメラを用いて、より詳細な地震被害想定に必要な高空間解像度の建物インベントリーデータを推定する手法を開発した。 早期被災地推定手法に関しては,自動推定システムにより、平成16年度1年間で全世界のマグニチュード6.0以上の地震158件について被災地推定を行い、その結果をデータベース化し、Web上(http://www.edm.bosai.go.jp/default.htm)で公開した。この実績の蓄積により、本手法の推定手法の特性、どのような状況下で良好な推定結果が得られる、あるいは得られないのか、が明らかとなった。 平成16年12月26日に発生したスマトラ島沖地震津波災害においては、極めて広域に渡る被災地に於ける被害状況把握支援を目的として、津波のシミュレーション結果と都市光分布をGIS上で重ね併せ、大きな被害が出ている可能性のある地域をWeb上(http://www.drs.dpri.kyoto-u.ac.jp/sumatra/gis/index-j.html)に公開した。
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