研究課題/領域番号 |
14380207
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
藤原 民也 岩手大学, 工学部, 教授 (70042207)
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研究分担者 |
小石原 利明 岩手製鉄(株), 次長(研究職)
向川 政治 岩手大学, 工学部, 助手 (60333754)
高木 浩一 岩手大学, 工学部, 助教授 (00216615)
桑島 孝幸 岩手県工業技術センター, 主任専門研究員
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キーワード | 大気圧グロープラズマ / 自己消弧型放電 / バリア放電 / 広断面積化・高密度化 / 投入エネルギー / NOx除去 / 材料表面処理 / 空気浮遊菌除去 |
研究概要 |
本研究では、従来の誘電体バリア放電とは異なる新しい方式CCMD(Capacitively Coupled Multi Discharge)を考案し、プラズマへの投入エネルギーの増大化、大気圧プラズマの広断面積化・高密度化、放電機構の解明と電気物理的特性の明示を目的とした研究を行った。CCMDは、誘電体バリア放電における誘電体を、消弧用コンデンサに置き換えた放電形式である。産業応用に対する取り組みとして、本プラズマをNOx除去に使用し、プラズマによる排ガス処理の技術向上と実用化、材料表面処理や空気浮遊菌除去などへの応用について検討している。以下にこれまでの成果をまとめる。 1)投入エネルギーの増大メカニズム:新方式CCMDでは消弧用コンデンサの静電容量を9.4pFから170pFに増大させることで、プラズマへの投入エネルギーが0.47mJから6.01mJに増大することを実験的に明らかにした。従来の誘電体バリア放電では原理上誘電体表面に電荷が蓄積するが、表面電荷の面積は誘電体表面の面積を越えることができず、有効な誘電体の静電容量には上限がある。本研究ではこの表面電荷の面積を実験的に決定することで、この面積の効果で誘電体の静電容量増大しないことが誘電体バリア放電でのプラズマへの投入エネルギーが十分増大しない原因として明らかになり、CCMDにおいてプラズマへの投入エネルギーが増大する根拠を得た。 2)直流動作:従来の誘電体バリア放電は交流電圧でしか発生させることができないが、CCMDにおいて、消弧用コンデンサと並列に高抵抗を接続することで直流動作させることに成功した。また、直流動作時の放電パルス間隔は、消弧用コンデンサと並列抵抗の時定数によって決定することが実験的に明らかとなった。
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