研究課題/領域番号 |
14380208
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 靖 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助教授 (30214191)
|
研究分担者 |
堀内 利得 核融合科学研究所, 理論シミュレーション研究センター, 教授 (00229220)
星野 真弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90241257)
柴田 一成 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144178)
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
桂井 誠 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70011103)
|
キーワード | 磁気リコネクション / 非定常リコネクション / プラズモイド / 電流シート放出 / 異常抵抗 / 太陽コロナ / 計算機シミュレーション / 地球磁気圏プラズマ |
研究概要 |
本年度は、高磁場化(<2kG)したトカマクプラズマ2個を軸対称合体させることにより、低損失磁気リコネクションを実現し、製作したパワークローバと制御コイルによってインフロー制御を行なった。拡散領域への磁束・粒子の流入速度を上昇させると、準定常なリコネクションが非定常状態に移行し、最後に電流シート放出が起ることが判明した。特に電流シート放出時のリコネクション電界は電流シート抵抗から予測される値の概ね3-5倍に達する。一般に、電流シート付近の非定常磁場変化は、拡張オーム則における磁場の時間変化の項を通じてリコネクションの高速化に大きく寄与することがわかった。電流シートの成長はインフローの高速化を引き起こし、その極限として電流シート放出を位置づけることができた。この結果は柴田らの太陽コロナで衛星観測された間欠リコネクションを統一的に説明する可能性がある。エネルギー放出の規模はPrivateな磁束が再結合してcommon磁束になる場合と、その逆の場合で大きく異なり、後者の場合、電流シートが平衡条件を満たしつつ、安定に成長してプラズモイドとなることが判明した。現在、星野、堀内らの計算機シミュレーションで見られる間欠リコネクションとの比較を継続中である。衛星観測と理論と室内実験を一体化した検討を小野、柴田、星野でさらに発展させ、11月25-27日にはUS-Japan Symposium on Plasma Merging and Magnetic Reconnectionを箱根で主催し、日米欧の主要研究者と共に非定常リコネクションや電流シート放出の物理について議論を深めた。これらの成果は小野が「高磁気圧下の磁力線再結合現象」の題目で矢崎学術賞を受賞するに至っている。また、電流シート拡散の能動制御のため、2年計画で電子サイクロトロン加熱電源を拡充中であり、今年は発振部の設計・製作を行った。
|