研究課題/領域番号 |
14380220
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
深田 智 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50117230)
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研究分担者 |
西川 正史 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (90026229)
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キーワード | 溶融塩 / トリチウム / フリーベ / 回収 / 酸化還元電位 / 核融合炉 / ブランケット / 透過 |
研究概要 |
核融合炉溶融塩フリーベ(Li_2BeF_4)ブランケットは、トリチウムの連続回収処理が可能で増殖性能がよく、固体に比べて先進的で魅力的なブランケットコンセプトであるが、核融合炉からの連続的かつトリチウム漏洩をできるだけ低く押さえる必要があり、安全性向上のために現状では10Ci/day以下に維持するための、高効率のトリチウム除去装置を開発する必要がある。またトリチウムはフリーベ中でフッ化トリチウムの形で存在し、これが材料腐食性が強いので、フリーベの酸化還元制御をおこない、トリチウム化学形を水素分子形にする必要がある。フリーベはかつて溶融塩核分裂炉の燃料融解剤として多くの研究が行われたが、核融合炉に適用するためのトリチウム安全性研究は遅れていた。本研究では、フリーベの化学制御実験ならびに、トリチウム回収装置設計の基礎資料となる拡散係数と溶解度の測定をおこなった。 まず拡散装置測定のため、同心円ニッケルプルーブ間に存在するフリーベの水素同位体透過係数と拡散係数を求めた。研究最終年度の2004年度には、重水素の透過挙動の成果をJ.Nucl.Mater.等の国際学術論文誌に発表した。さらにフリーベのRedox制御を目的にし、金属ベリリウムとフッ化水素気泡との反応速度を溶融フリーベで測定し、フリーベのBe溶融速度、HFとBeとの反応速度、Beの固溶度を測定するとともに、CSTRのモデル解析によってフリーベ溶融塩内の反応機構について定量的に評価した。さらにこの定量的評価に基づき、FFHR-2の核融合炉概念設計ブランケット内のトリチウム移動挙動を評価した。これらの成果は2004年度に開催された国際学会で発表した。
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