研究課題
基盤研究(B)
溶融塩Flibeはヘリカル型核融合動力炉(FFHR-2)の先進的液体ブランケット概念設計に取り入れられ、強磁場、強中性子束環境においても良好な熱除去とトリチウム増殖が期待されている。しかし、溶融塩中のトリチウム取扱技術が難しい事、トリチウム閉込めと回収が難しい事が予想され、世界的に見ても実証研究例が非常に少なかった。本研究では、トリチウム回収装置設計に必要なFlibe溶融塩内の金属材料中の水素同位体透過率、金属BeによるFlibeの酸化還元制御等を実験的に検討し、目標となるFlibe中のトリチウム濃度を1ppm以下、トリチウム漏洩率を10Ci/Day以下に制御するブランケット構成を実験的に確証することを目的とする。実験と解析から次のことが明らかにされた。1.Flibe中の重水素透過率をNi製二重管式透過装置を使って初めて測定した。求めた溶解度から未精製Flibe中の水素同位体はH^+の形で存在し、H^+とF^-イオンの移動は相互に電荷中性になるように拡散することが分かった。2.Flinak中の水素透過係数を測定し、水素は分子状で存在することが分かった。これはFlinakではFlibeに見られるようなBeF_4^<2+>の分子ネットワークが存在せず、溶融塩中でF^-イオンは常にLi^+,K^+,Na^+イオンと局所的に強い結合をして局在するからと考えられる。3.溶融Flibe中に金属Beを浸すことにより、酸化還元制御可能であることが分かった。これより、Flibe中に存在していた自由F^-イオンが溶解したBeと反応し、BeF_2の分子結合をして、F^-イオンが消費され、水素イオンは分子状で存在するようになると考えられる。従って、核融合炉内のトリチウムを分子状に制御可能であることが分かった。4.1GWの熱出力で発生するトリチウムを許容されたトリチウム漏洩率に保持するためには、高いトリチウム回収率が必要である。そのための、透過窓、気泡塔、スプレー塔の設計方程式を構築し、装置の規模を評価した。
すべて 2006 2005 2004 2003 2002 2001 その他
すべて 雑誌論文 (44件) 図書 (1件)
プラズマ・核融合学会誌 82
ページ: 16-20
Fusion Engineering and Design (印刷中)
Journal of Nuclear Materials (印刷中)
Journal Plasma Fusion Research Vol.82
Journal of Nuclear Materials 346
ページ: 293-297
Fusion Science and Technology 48
ページ: 666-669
Fusion Science and Technology 47
ページ: 524-529
Proc. IEA tritium management and corrosion activities for liquid blanket materials workshop
ページ: 79-82
日本原子力学会誌 47
ページ: 623-629
Journal of Nuclear Materials Vol.346
Fusion Science and Technology Vol.48
Fusion Science and Technology Vol.47
Proc.IEA tritium management and corrosion activities for liquid blanket materials workshop, Sep.28, 2004, ENEA-Brasimone, Italy,
日本原子力学会誌 Vol.47, No.9
Journal of Nuclear Materials 329-333
ページ: 1327-1331
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry 261
ページ: 291-294
Journal of Nuclear Materials Vol.329-333
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry Vol.261
プラズマ・核融合学会誌 79
ページ: 650-690
Proc. of the 6th IEA International Be workshop, Miyazaki, Japan, Dec. 3-5, 2003
ページ: 265-274
ページ: 275-286
Fusion. Science and Technology 44
ページ: 410-414
プラズマ・核融合学会誌 Vol.79
Proc.of the 6th IEA International Be workshop, Miyazaki, Japan, Dec.3-5
Proc.of the 6th IEA International Be Workshop, Miyazaki, Japan, Dec.3-5
Fusion.Science and Technology Vol.44, No.2
Fusion Engineering Design 61-62
ページ: 783-788
Fusion Science and Technology 41
ページ: 1054-1058
Fusion Engineering Design Vol.61-62
Fusion Science and Technology Vol.41
Fusion Technology Vol.39
ページ: 1073-1077
ページ: 753-757
Fusion Engineering and Design (in printing)
Journal of Nuclear Materials (in printing)