研究概要 |
太陽電池や風力発電など,自然エネルギーを効率よくバックアップするハイブリッド電池システムを構築することを目的とし,本年度は以下の検討を行った。 1.自然エネルギーバックアップシステムの基本設計 システムの基本性能を満足するための二次電池およびキャパシタのデバイス設計を行った。設計に従い,以下2,3に示す材料探索と特性評価を行った。 2.電池形デバイス構成のための材料探索と特性評価 大容量システムの安全性と信頼性にかなう構成材料として,難燃性電解液系および固体電解質系について検討を行った。エチレンカーボネート(EC),ジエチルカーボネート(DEC)ならびにエチルノナフルオロブチルェーテル(EFE)を2:48:50の割合で混合した電解液は,難燃性で黒鉛負極上でEC-DEC系と同程度の放電容量を示すことがわかった。固体電解質系では,リチウム塩を溶解した,側鎖と架橋鎖にカルボニル基を有するポリ(メタクリル酸エステル)ゲル電解質がリチウム二次電池用のポリマーゲル電解質として適用可能であることがわかった。 3.キャパシタ型デバイス構成のための材料探索と特性評価 変動する出入力に対応するためハイレート仕様の炭素材料および有機ポリマーをベースとする材料を対象に検討を行った。非水電解質としてTEMABF_4を高濃度で溶解したポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフロロプロピレン)(PVdF-HFP)ベースのゲル電解質が高レート仕様に適した系であることがわかった。一方,プロトン伝導体に関しては,無水リン酸をドープしたポリ(エチレンオキシド)修飾ポリメタクリレート(PEO-PMA)と活性炭を組み合わせたキャパシタを構成し,90℃での充放電では水溶液中と同程度の放電容量が得られた。
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