研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、FBG(ファイバブラッググレーティング)を用いて、微少クラックセンシングを行なうこととそれを用いるFBGの耐放射線特性の向上である。後者については、昨年度SNOM(近接場光学顕微鏡)の画像を用いて研究が行なわれたが、その後SNOMが不調のため、その結果は得られませんでした。微少クラックの検出については、東大の「弥生炉」以外に、実用的に「常陽」という高速実験炉を用いて、その配管システムに生ずるクラック検出を試みることとした。まず、東大の「弥生炉」で振動により光ファイバ信号の検出を試みてこれには成功した。次に、クラックを生じない短期照射の時点で、原子炉「常陽」を起動させ、振動の位置を同定するとともに、このパワースペクトルを測定した。このときに生ずるスペクトル自身は、今回始めてのデータでもあるので、その原因や結果については簡単には説明がつかなかった。まずは、このスペクトルを説明することが必要である。次に、クラックを生じたときの振動のパワースペクトルについて特徴等をピックアップして、このスペクトルが意味するところを判明させることの追究を試みた。その成分を構成する要因については、炉物理関係者やメーカーの関係者にもいろいろ質問をしてみたが、結局回答やヒントは得られなかった。測定はできたが、その測定値を生ずる原因は検討中ということであり、この点が、今後の課題である。
すべて 2003
すべて 雑誌論文 (2件)
放射線(応用物理学会放射線分科会誌) Vol.29・No.2
ページ: 99-103
The Japan applied Physicssoc., Journal of Radiation Division "Radiation" Vol,29, No.2