研究課題
基盤研究(B)
植物プランクトンによるDMSP生成の生理・生態学的意義の解明を目的に、好冷性植物プランクトンによるDMSP生成の特性を解明する室内培養実験を行い、極域海洋における植物プランクトンのDMSP生成能調節の意義について考察した。亜寒帯域、北極域から単離されたケイ藻を低水温にて培養したところ、DMSP生成を行う好冷性ケイ藻は、増殖定常期初期から定常期後期にかけて、DMSP生成能を増加させる傾向、があった。ここから、細胞増殖を止めてからも細胎内にDMSPを生成し続ける植物プランクトンが存在すること、生長段階によるDMSP生成能の変化量は種によって大小があることが明らかにならだ。このような種および生長段階ごとのDMSP生成能の特性が、極域海洋における海水中DMSP分布に影響し、また、ケイ藻の種保存戦略につながっている可能性が示唆された。DMSP生成能に及ぼす環境要因として水温と塩分に注目し培養実験を行ったところ、少なくとも実験した。水温の範囲内(1.7〜5℃)では、水温はほとんどDMSP生成能に影響を与えないことが明らかになった。一方、塩分はケイ藻のDMSP生成能に影響を与え、Haslea sp.およびNavicula sp.は高塩分の海水中でDMSPを多量に生成することが明らかになった。。上記2種のケイ藻は海氷の中でも生息することができると言われている。これらのケイ藻は、高塩分で知られるブライン(海氷中に閉じこめられた海水)中において多量のDMSPを生成するが、低塩分で知られる融解水では増殖してもDMSPを生成しないことが示唆された。植物プランタトンは浸透圧調整のために細胞内にDMSPを生成するといわれているが、塩分が高くなったときに用いる浸透圧調整物質と低ぐなったときに用いる浸透圧調整物質は異なる可能性がある。
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