研究課題/領域番号 |
14380248
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
五十嵐 康人 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (90343897)
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研究分担者 |
澤 庸介 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 研究官 (00354556)
土器屋 由紀子 江戸川大学, 社会学部環境デザイン学科, 教授 (10011909)
吉岡 勝廣 島根県保健環境科学研究所, 主任研究員
長田 和雄 名古屋大学, 大学院・環境研究科, 助教授 (80252295)
松枝 秀和 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 第一研究室長 (60354552)
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キーワード | 自由対流圏 / 大気化学観測 / 富士山 / 鉛直混合 / トレーサー / 大気攪乱 / ベリリウム-7 / ラドン-222 |
研究概要 |
気象庁富士山測候所(標高3776m)及び山腹の太郎坊(標高1300m)の2地点において、H14年9月11日〜24日のおよそ2週間にわたり大気化学の集中観測を実施した。本研究では、大気擾乱が活発化する季節に観測を実施することにより、気塊の入れ替わりとそれにカップリングした化学諸過程にアプローチしようというものである。そのため上層気塊/境界層気塊のトレーサーとして、^7Be/^<222>Rnを各々に対応させ観測を行った。観測項目は、SO_2、CO、O_3、CO_2、^<222>Rn、^7Be,降水、霧水、エアロゾル個数、エアロゾル化学成分等である。各観測データは分析中、解析中のものがほとんどであるが、部分的には解析を終えて学会、報告会などで発表した。 以下概略を述べる。太郎坊でのオゾン濃度は、午後(16時頃)に極大となり、100ppbを超える高濃度のオゾンも観測された。また、深夜から早朝にかけて濃度が低下したが、真夜中に濃度上昇現象も観測され、上層からの移流の影響と考えられる。エアロゾル個数濃度は、山頂より太郎坊のほうが高かった。太郎坊における個数濃度(0.3〜0.5μm)は、日中に高く、夜間に低くなり、日中には、下層から汚染物質が運ばれているものと考えられた。霧水・降水を山頂、太郎坊で各々18,6個採取した。pHは、4.0〜6.8程度で、酸性雨・酸性霧も観測された。[NO_3^-]/[SO_4^<2->濃度比は、降水の方が霧水より低かった。また、太郎坊で濃度比が大きく、NO_3^-濃度(当量)がSO_4^<2->濃度より高い試料も多かった。陽イオン成分では、山頂での降水試料をのぞいて、NH_4^+が最も濃度が高く、酸を中和している。
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