研究課題/領域番号 |
14380264
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大島 義人 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (70213709)
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研究分担者 |
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
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キーワード | 超臨海水酸化反応 / 実験廃液 / 無害化処理 / ハロゲン系有機化合物 / 難分解性化合物 / 混合効果 / 固体触媒 / 反応工学 |
研究概要 |
本研究は、超臨界水酸化反応を利用した実験廃液の無害化処理プロセスに関する工学的基盤構築を目指すものであり、本年度に得られた成果の概要は以下の通りである。 1.超臨界水熱分解と酸化反応のカスケードプロセスによるハロゲン系有機化合物の無害化 2-クロロフェノール(2CP)やクロロ安息香酸(CBA)をモデル物質とし、カスケードプロセスの有効性について検討した。2CPの分解では、前段の水熱分解の導入が分解率の向上や中間体生成の抑制に有効であることを実験的に示した。また、CBAの水熱分解については、水素化脱塩素化、加水分解、脱炭酸の各反応がそれぞれ基質の1次反応として並行的に進行すること、目的とする脱塩素化反応への選択性は8〜9割と高く、特に低温ほど有利であることなどを明らかにした。 2.混合物の超臨界水酸化反応に関する速度論的データの蓄積と体系化 酢酸、フェノール、メタンなどの難分解性有機化合物とアルコールとの混合系について、共存物質の分解速度に与える影響について検証した。アルコールより分解の遅い化合物に対しては、アルコールの存在が分解を促進する効果を持ち、その程度は分解速度の差や濃度比と相関することを明らかにした。また、共存物質による分解促進・抑制は、各化合物の分解過程が系内でOHラジカル等を共有することによって起こることを、素反応モデリングによって明らかにした。反応促進剤の効果が十分に期待できることを実験的に明らかにした。 3.固体触媒の導入による反応条件の緩和と効率化に関する工学的検討 活性炭などの炭素系触媒を充填した固定床流通式管型反応器を用いて、フェノールの分解反応を行い、無触媒系に比べて分解速度が大きく上昇し、二量体などの中間生成物の収率も抑制されることを明らかにするとともに、同系の物質移動抵抗に関する反応工学的解析を行った。また、活性炭よりも安価な炭素系物質においても反応促進剤の効果が十分に期待できることを実験的に明らかにした。
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