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2002 年度 実績報告書

瀬戸内海の新種赤潮プランクトンによる二枚貝致死の原因物質と活性発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 14380275
研究機関広島大学

研究代表者

平賀 良知  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10238347)

研究分担者 大方 勝男  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50033882)
キーワード赤潮プランクトン / 二枚貝 / ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ / 単純脂質 / ガラクトース / 脂肪酸 / 細胞溶解活性 / チラコイド膜
研究概要

渦鞭毛藻赤潮プランクトン,ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマは,カキなどの二枚貝のみを斃死させる。こめプランクトンによる二枚貝斃死の原因物質を探索するため,藻体に含まれる細胞溶解活性成分を調べた。
ヘテロカプサ藻体を遠心分離によって集めた後,藻体を1-ブタノールで抽出した。得られた1-ブタノール抽出物は,カキの心臓細胞およびエラ細胞に対する溶解活性を指標に逆相シリカゲルクロマトで分画した。溶解活性を示す活性画分は,さらに逆相HPLCで精製し,4種の化合物(1-4)を単離した。
高分解能FABMSから1-4の分子式はそれぞれC_<27>H_<42>O_9,C_<27>H_<44>O_9,C_<33>H_<52>O_<14>,C_<33>H_<54>_O<14>であった。^1HNMR,_<13>CNMRおよび各種2次元NMRスペクトルから,化合物1と2はモノガラクトシルモノアシルグリセロールと決定した。一方,化合物3と4はジガラクトシルモノアシルグリセロールであった。これら化合物の構成脂肪酸に関しては,NaOMeでメタノリシスした後,得られた脂肪酸メチルエステルのGC-MS,各種NMRおよびIRスペクトルを解析した。その結果,化合物1と3は,全ての二重結合がシスのC_<18:5>の脂肪酸であった。一方,化合物2と4は,全ての二重結合がシスのC_<18:4>の脂肪酸であった。さらに,グリセリンの2位の立体は,いずれもSであった。以上の結果,これらの化合物はいずれもチラコイド膜を構成する単純脂質から得られるリゾ体と決定した。
糖脂質1-4は,濃度6.2μg/mLでカキの心臓細胞およびエラ細胞に対していずれも細胞溶解活性を示した。現在,これらの詳細な化学構造および生物活性を検討すると共に,二枚貝斃死との関連を調べている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Katsuo Ohkata: "Hydrophobicity and structure of 1,2,4-triazole derivatives bearing 1-carbamoyl and 3-sulfonyl groups"Bull. Chem. Soc. Jpn.. 75. 567-574 (2002)

  • [文献書誌] Ryukichi Takagi: "Stereochemical considerations of the stereoselective cyclopropanation of 3-aryl-2-phosphonoacrylates induced by the (-)-8-phenylmenthyl group as a chiral auxiliary"J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1. 2002. 179-190 (2002)

  • [文献書誌] Yoshikazu Hiraga: "A new digalactosyl diacylglycerol from cultured marine dinoflagellate Heterocapsa circularisquama"J. Nat. Prod.. 65. 1494-1496 (2002)

  • [文献書誌] Ken Kaku: "Sterol composition of a cultured marine dinoflagellate, Heterocapsa circularisquama"Nat. Prod. Lett.. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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