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2004 年度 実績報告書

瀬戸内海の新種赤潮プランクトンによる二枚貝致死の原因物質と活性発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 14380275
研究機関広島大学

研究代表者

平賀 良知  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10238347)

研究分担者 大方 勝男  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50033882)
キーワード赤潮プランクトン / 渦鞭毛藻 / ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ / カキ致死活性物質 / ヘテロカプサトキシン / 核磁気共鳴スペクトル / アセチル化 / オゾン分解
研究概要

培養した赤潮プランクトン,ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ藻体の1-ブタノール可溶画分がカキに対して致死活性を示した。1-ブタノール可溶画分を,ヘキサン-80%メタノールで分配した後,得られたメタノール可溶画分を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画した。活性画分をゲルろ過,シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび逆相高速液体クロマトグラフィーを用いて精製し,2種のカキ致死活性物質,ヘテロカプサトキシンA(HTX-A)およびヘテロカプサトキシンB(HTX-B)を単離した。
HTX-Aの分子量は,MALDI-MSから5,024であった。また,HTX-Bは,1,980であった。それぞれの^1Hおよび^<13>C NMRスペクトルおよび化学的性質から,いずれも類似の構造で,酸素官能基を多く含むことが明らかとなった。また,それぞれをアセチル化することによって,3〜4ppm付近のシグナルの多くが5ppm付近に低磁場シフトしたことから,これらの化合物は,水酸基を多く含む構造であることが推定された。
HTX-Aが高分子であったため,直接の構造決定が困難であった。そこで,分子中に存在する5個の二重結合をオゾンで分解した。分解生成物のうち,高極性化合物を単離・精製し,その構造決定を行った。この分子は,C_<46>H_<84>O_<22>であった。^1H NMR,^<13>C NMRおよび各種2次元NMRを解析することによって,その平面構造を決定した。この分子の立体化学に関しては,^1H NMRの化学結合定数の解析ならびにROESYの解析を行うことによって決定する予定である。また,他のオゾン分解生成物の構造解析を行っている。
一方,HTX-Bは,その収量がHTX-Aの1/10程度の極微量である。現在まで,NMRを中心に構造解析を行っている。今後,さらに分解反応による構造解析を行うため,サンプルの蓄積を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] ^1H and ^<13>C NMR spectroscopic studies of half-esters from monohydrolysis of dialkyl bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylates2004

    • 著者名/発表者名
      Yoshikazu Hiraga
    • 雑誌名

      Spectroscopy 18・3

      ページ: 469-483

  • [雑誌論文] Relationship between hydrophobicity of dipeptides and Michaelis-Menten constant K_m of their enzymatic hydrolysis2004

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Kanosue
    • 雑誌名

      Bulletin of the Chemical Society of Japan 77・6

      ページ: 1187-1193

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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