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2004 年度 実績報告書

二次草地の保全に向けた施策立案のための学際的・保全生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14380276
研究機関徳島大学

研究代表者

鎌田 磨人  徳島大学, 工学部, 助教授 (40304547)

研究分担者 山中 英生  徳島大学, 工学部, 教授 (20166755)
石川 慎吾  高知大学, 理学部, 教授 (90136359)
三宅 尚  高知大学, 理学部, 助教授 (60294823)
キーワード二次草地 / 樹林化 / 火入れ / 草地性植物 / 絶滅危惧植物 / 花粉分析 / 生態系修復 / フォーラム
研究概要

(1)剣山地天狗塚と夫婦池,太平洋沿岸の中村市具同と室戸市奥郷で採取した堆積物試料の花粉分析と炭化片分析を行い,当地域における完新世の植生と火災撹乱の変遷について調べた.主な成果は次に示す通りである.1)剣山地天狗塚では,少なくとも過去1,000yrsBPの間はササ草原が優勢であった.2)剣山地夫婦池付近では,約700yrsBP以降,ブナ-ツガ林の一部が二次林や草原に移行した.周辺域における600yrsBP頃のソバの栽培も確認された.3)火災撹乱は少なくとも鬼界-アカホヤテフラ降灰期以前に太平洋沿岸で頻発し,山間地に向かって進行したことが示唆された.
(2)塩塚高原に生育する草原生絶滅危倶植物モリアザミ,ヒメヒゴタイ,ヤナギタンポポ,カセンソウ,オオバギボウシ,ヒメユリ,および草原において広域分布するハバヤマボクチ,シコクアザミの種子発芽・休眠特性および成長特性を実験で明らかにした。これら8種の発芽可能時期や発芽特性は比較的類似していたが,実生の成長特性は少しずつ異なり,それが草原における生育地の違いを反映していると考えられた。草原の管理形態もこれらの個体群の消長に大きく影響していると考えられた。
(3)落合峠における代表的な数種の草原生植物の分布特性と生育環境条件との関係解明を試みた.調査対象とした草原生植物について、生育箇所における光環境条件との関連性を検討した結果、数種の草原生植物は、光要求性を反映する3グループに類型化された。マツムシソウを生育環境復元指標種と位置づけ詳細な検討を行った結果、踏圧の影響を受ける散策路周辺、崩壊地周辺等の土地安定性が確保された条件下等、光環境の阻害要因となるミヤマクマザサの繁茂が抑制される地点に分布する傾向が確認された。これらの結果を踏まえ、草原生植物の生育地復元適地選定に係わる検討フローを整理した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Hierarchically structured approach for restoring natural forest - trial in Tokushima Prefecture, Shikoku, Japan.2005

    • 著者名/発表者名
      Kamada, M.
    • 雑誌名

      Landscape and Ecological Engineering 1(in press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 徳島県東祖谷山村落合峠における利用・管理形態の変化とそれに伴う植生の変化2005

    • 著者名/発表者名
      小串重治, 長谷川賢二, 鎌田磨人
    • 雑誌名

      徳島県立博物館研究報告 15(印刷中)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 高知県中村市具同低湿地周辺における完新世の植生変遷2004

    • 著者名/発表者名
      三宅尚, 石川慎吾
    • 雑誌名

      日本花粉学会誌 50・2

      ページ: 83-94

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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