研究課題/領域番号 |
14380278
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
石橋 良信 東北学院大学, 工学部, 教授 (10111246)
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研究分担者 |
佐藤 篤 東北学院大学, 教養学部, 教授 (00145616)
国包 章一 国立保健医療科学院, 水道工学部, 部長 (90083740)
大村 達夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111248)
木村 憲司 前澤工業(株), 中央研究所, 部長
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キーワード | サイクロスポーラ / クリプトスポリジウム / 原虫 / 塩素耐性 / 新興感染症 / 輸入感染症 / 上水道 |
研究概要 |
2003夏、11年ぶりに水道水の水質基準が改正され、暫定指針がなくなり、原虫対策も浄水プロセスで対応するようになると予想される中、代表者らは日本水道協会のもとクリプトスポリジウム検出の試験方法を提案・上梓した。 本研究ではいくつかの課題を遂行・継続研究中であり、中間結果は以下に示す通りである。なお、研究はクリプトスポリジウムと比較しながら行っている。 消毒効果に関して、サイクロスポーラ(C. cayentanensis)は低圧、中圧とも10mJ/cm^2程度で不活化する。この値はC. parvumの10分の1である。なお、C. cayentanensisは暗回復は認めないが、光回復は認められる。一方、次亜塩素酸を用いた塩素消毒に対しては、サイクロスポーラは6,000mg/Lで不活化し、C. parvumとほぼ同等かやや弱い耐性を持つと判断した。ヒト腫瘍細胞HCT-8を用いた細胞への感染状況では、活住を持つC. parvumは細胞感染後の洗浄でもPCRでバンドがみられたが、熱処理で活性をなしたくC. parvumでは洗浄後、PCRのバンドは見られず、感染(細胞への吸着能)能力が減衰したと推察された。PCR産物の定量化については遂行中である。下水処理水や牛舎廃水等からの原虫の検出も試みており、2ヶ月齢の仔ウシの糞便からC. parvumを検出しており、下水処理水では季節変動に興味を持っている。分担者・木村は、ネパール・ラオスで疫学的調査を行い、原虫の存在に国別地域性を認め、またアメリカ水道協会の研究発表会(WQTC)に参加して情報収集にあたっている。サイクロスポーラのリスク評価は本研究において重要な位置づけになっており、分担者の大村教授の研究室とのゼミを通してリスク解析の手法を学ぴ、ネパールを対象に実際への適応を検討した。社会的活動としては、水環境学会東北支部の上水道研究会、東北大学大学院医学系研究科の国際医療分野でのゼミ、中国天津大学で原虫感染症について講演した。 次年度は生理生態・リスク・遺伝子的検出を中心に検討することを計画している。
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