研究課題/領域番号 |
14380278
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
石橋 良信 東北学院大学, 工学部, 教授 (10111246)
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研究分担者 |
大村 達夫 東北学院大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111248)
国包 章一 厚生労働省, 国立保健医療科学院, 部長 (90083740)
木村 憲司 前澤工業(株), 中央研究所, 部長
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キーワード | サイクロスポーラ / クリプトスポリジウム / 原虫 / 塩素耐性 / 新興感染症 / 輸入感染症 / 上水道 |
研究概要 |
本年度も、サイクロスポーラを主題に、クリプトスポリジウムとジアルジアを比較原虫として実験調査を行った。今年度の特筆すべき成果はヒト回腸腺癌由来細胞HCT-8を用いた培養細胞によってサイクロスポーラの感染、培養が行えた点にある。この結果から、従来はクリプトスポリジウムのみであった培養細胞による増殖が、サイクロスポーラでも増殖できることになり、実験室レベルで実験に供するオーシストを増殖できるようになった。一方、下水処理場および環境水の上記原虫類の存在量を測定した。検出できた原虫はジアルジアのみであったが、リスク評価とともに届出感染症に対する意識について検討できた。 また、不活化したクリプトスポリジウムを用いて浄水プロセスおよび実験室での凝集・ろ過試験による除去能の把握を試みた。消毒に関しては、超音波消毒を中心に調べ、過年度に実施した塩素消毒と紫外線消毒の不活化効果を比較した。以上の実験・調査は時により土木学会環境工学委員会、日本水道協会の「水道におけるクリプトスポリジウム等の対策に関する研究会」と連携した。 外国調査出張に関しては5度、ネパール、ラオス、台湾、イギリス、オランダを訪問した。ネパールではNepal Medical College他の大学・病院、および浄水場に、ラオスでは保健省の研究所に、イギリスは飲料水査察官事務所に赴き、原虫と下痢症に関する研究打ち合わせを行った。台湾では人畜感染症の報告、オランダではサイクロスポーラをはじめとする研究発表を行った。特に、途上国に対しては原虫問題の研究進展に寄与したと自負している。 研究を遂行するにあたり、研究分担者からも適切な助言と実験の手助けを受けた。 学会発表は数編発表したが、ネパール、ラオスのまとめについては追って報告の予定である。また、本年度は最終年であり、3年間の成果については別の冊子にまとめた。
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