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2003 年度 実績報告書

膜タンパク質のオルガネラ標的化とトポロジー形成の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 14380294
研究機関九州大学

研究代表者

阪口 雅郎  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30205736)

キーワードオルガネラ / シグナル配列 / トポロジー / 生体膜 / 膜蛋白質 / 生合成
研究概要

膜タンパク質の細胞内局在と膜トポロジー形成機構の全容解明を目的として研究を行ってきた。
本年度は小胞体でのマルチスパン膜タンパク質のトポロジー形成機構をさらに探究し、またミトコンドリア外膜タンパク質の標的化とトポロジー形成に展開した。小胞体系では、電位依存性イオンチャネルの電位センサー部分を構成する「多数の正電荷を有する膜貫通セグメントS4」が、その前(アミノ末端側)の膜貫通セグメント内に存在する負荷電アミノ酸残基と特異的に相互作用ながら膜貫通トポロジーを形成することを明らかにした。疎水性以外の要因によって膜貫通トポロジーを形成する様式として明確となったはじめての例である。また、多くのイオン輸送体には透過ポア部分に深く進入しているループ構造、いわゆる「フィルター領域」、が存在する。このループ構造が生合成とトポロジー形成途上では、一度大きく小胞体内腔側に露出してから膜内に収納されることを2種のカリウムチャネルで示した。さらに、赤血球膜の陰イオン交換輸送体(バンド3タンパク質)について知られている遺伝病(SAO)において、第一膜貫通セグメントが膜組み込み不全となっていることを見出した。遺伝病の病因が膜トポロジー形成不全によっていることを見出したはじめての成果である。ミトコンドリア系では、分子のカルボキシル末端に膜結合領域を持つTom5と、分子の中央部分にそれをもつTOM22の2種の外膜タンパク質について、小胞体標的化を回避しミトコンドリア外膜に特異的に標的化されるためのシグナル情報を明らかにした。いずれの場合も膜貫通セグメントの高すぎる疎水性度は小胞体標的化をきたすため、適度に低い疎水特性が要求されることが明らかになった。TOM22ではαヘリックスがシグナルの構成要因であることも示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 阪口 雅郎: "膜タンパク質のトポロジー形成:小胞体系と小胞体標的化回避"生化学. 75. 520-528 (2003)

  • [文献書誌] Kanki, T.et al.: "The N-terminal region of the transmembrane domain of human erythrocyte band3 : Residues critical for membrane insertion and transport activity"J.Biol.Chem.. 278. 5564-5573 (2003)

  • [文献書誌] Sato, Y.et al.: "Molecular dissection of the contribution of negatively and positively charged residues in S2, S3, and S4 to the final membrane topology of the voltage sensor in the K^+ channel, KAT1"J.Biol.Chem.. 278. 13227-13234 (2003)

  • [文献書誌] Umigai, N.et al.: "Topogenesis of two transmembrane type K^+ channels, Kir2.1 and KcsA"J.Biol.Chem.. 278. 40373-40384 (2003)

  • [文献書誌] Nakamura, Y.et al.: "Targeting and assembly of mitochondrial tail-anchored protein Tom5 to the TOM complex depend on a signal distinct from that of tail-anchored proteins dispersed in the membrane"J.Biol.Chem.. 278. 41462-41471 (2003)

  • [文献書誌] Nakamura, Y.et al.: "Targeting and assembly of rat mitochondrial TOM22 into the TOM complex"J.Biol.Chem.. 279(in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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