研究概要 |
シナプス小胞膜はクラスリン依存性エンドサイトーシスによって回収される。Dynamin1はAmphiphysinとともにクラスリン被覆ピット頚部に集積し、Daynamin GTPase活性によって頚部切断を行なう。また、その足場として膜リン脂質が重要である。今年度は以下のことを明らかにした。 1.エンドサイトーシスにおいて、Phosphatidylinositol 4,5-bisphosphateはシナプス膜リン脂質として重要である。このリン脂質の合成をおこなう酵素PI(4)P 5-kinase IγがADP-Ribosylation factor 6によって直接活性化されること、また、クラスリン/AP-2の集積が増加することを明らかにした(Krauss, Kinuta et al.,J.Cell.Biol.,2003;Kinuta & Takei,生化学(ミニレビュー),2003) 2.Cdk5/p35によるDynaminおよびAmphiphysinのリン酸化部位を明らかにした。また、これらタンパク質のリン酸化-脱リン酸化によるエンドサイトーシス調節機構を明らかにした(Tomizawa et al.,J.Cell.Biol.,2003) 3.動的光散乱法を用いた人工脂質膜からの小胞形成測定(昨年度報告:Kinuta et al.,PNAS,2002))により、Amphiphysin KOマウスの脳細胞質タンパクでは小胞形成が起こらないこと、また、Dynamin GTPase活性の発現にAmphiphysinのBAR-domain(脂質膜と結合)及びSH3-domain(Dynaminと結合)が必要であること、さらに、Amphiphysinによる膜彎曲能が重要であることを明らかにした(Yoshida, Kinuta et al.,Nat.Cell Biol.2004,In submission;絹田,岡山医学会雑誌(総説),2004)
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