研究課題/領域番号 |
14380308
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
上野 隆 順天堂大学, 医学部, 助教授 (10053373)
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研究分担者 |
武野 大策 順天堂大学, 医学部, 助手 (00146771)
谷田 以誠 順天堂大学, 医学部, 講師 (30296868)
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キーワード | オートファジー / リソソーム / メラノソーム / ファゴソーム / タンパク活性化酵素 / タンパク結合酵素 / 膜形成 / オルガネラ |
研究概要 |
1.メラノーマとマクロファージに発現するApg8ホモログの細胞内分布 Apg8は、酵母のオートファジーにおいて、リン脂質と結合しオートファゴソーム膜にターゲットされるタンパクとして同定され、オートファジーに必須なタンパクである。動物では、MAP-LC3、GABARAP、GATE-16の3つのホモログが存在するが、これらのホモログを高発現しているメラノーマ(B16-F1)とマクロファージ(J774.1)での細胞内分布を調べた。いずれのホモログも、リン脂質と結合し膜に局在するII型は、細胞のtotal lysateを17,000×gで遠心した沈澱(P17)に多かった。この分画は、リソソームやミトコンドリアに富む。さらに蛍光抗体法による解析により、メラノーマ細胞では、MAP-LC3とGABARAPは必ずしも分布は一致せず、前者は、メラノソームマーカーのTRP-1と良く共局在することが判った。また、J774.1ではラテックスビーズを貪食させたときのファゴソームに一部重なる像が得られ、ホモログとファゴソーム膜との関係についてさらに追析中である。 2.メラノソームのターンオーバーとホモログの役割 メラノーマのP17分画をOptiPrepの不連続密度勾配によってさらに分離し、GABARAP、GATE-16、MAP-LC3のそれぞれは、部分的に共通の分布を示すが完全には重ならないことを確認した。また、予めリソソームのカテプシン阻害剤存在下に培養した細胞から得られたP17の場合は、ホモログが密度の大きい顆粒領域に濃縮され、他のメラノソームマーカーとも共通の分布を示すようになることが判った。 このことは、メラノソームがリソソーム経由で速い分解を受け、この分解にホモログが関与することを示しているが、このような分解は培地の栄養条件とは関係なく起こり、オートファジーとは異なる現象であることが解った。
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