研究課題/領域番号 |
14380315
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
臼倉 治郎 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30143415)
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研究分担者 |
西沢 裕治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80252229)
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キーワード | 神経成長円錐 / 膜の裏打ち / 細胞膜 / クラスリン / CRMP-2 / 急速凍結 / 免疫細胞化学 / フリーズエッチング |
研究概要 |
細胞膜は細胞質と外界を隔てる単なる限界膜ではなく、レセプターやチャンネルの膜蛋白を通じて情報伝達を司る重要な細胞器官でもある。また、細胞膜は機能的にも構造的にも均一ではなく、ラフトをはじめとする様々な機能ドメインから構成されていると考えられている。そして、これらのドメインと膜たんぱく質複合体の動きや機能を制御しているのが膜の裏打ち構造である。しかし、ラフトの大きさ密度など形態学的実態は不明である。我々はこれら機能ドメインの形状や大きさを測定し、かつ膜裏打ちとの関係を明らかにしようとしている。このような研究目的を達成するために我々は免疫エッチングレプリカ法とトモグラフィーによる三次元画像解析およびEELS Imagingを用いた。単なる構造の立体観察ではなく、どのような蛋白がどのように膜表面や膜骨格に付着しているかを明らかにする必要があるため免疫エッチングレプリカ法は必須であった。本年度は神経軸索の成長円錐の膜構造解析においていくつかの進展があった。神経軸索決定因子の一つであるCRMP-2 (collapsing response mediated protein-2)は軸索では微小管上に存在する事が知られている。すなわちチューブリンと結合し、微小管の成長を促進すると考えられている。しかし、凍結置換免疫法による我々の実験では成長円錐ではCRMP-2が必ずしも微小管上にはない事を突き止めた。そして、免疫エッチングレプリカ法により成長円錐にあるクラスリン被覆上に存在することを示された。免疫沈降実験からCRMP-2はNumb蛋白と結合する事がわかったNumbはクラスリンと結合しEndocytosisを起こすことが知られているので、我々の結果は明らかにCRMP-2が成長円錐膜のrecyclingにも関与することを示唆している。
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