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2002 年度 実績報告書

パルスラジオリシス法を用いた末端酸化酵素における電子駆動型プロトン輸送機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14380318
研究機関大阪大学

研究代表者

小林 一雄  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30116032)

研究分担者 茂木 立志  科学技術振興事業団, 創造科学技術推進事業, グループリーダー(研究職) (90219965)
キーワードパルスラジオリシス / 末端酸化酵素 / プロトン輸送 / プロトンチャネル / 電子移動 / ユビキノール / ヘム / 変異体
研究概要

大腸菌の好気的呼吸鎖のチトクロムbo型ユビキノール酸化酵素は、2種類のヘム(bとo)と1個の銅イオン(Cu_B)を結合し、電子はキノール酸化部位から結合型ユビキノン8とヘムbを経由して分子状酸素の還元場であるヘムo-Cu_B複核中心に伝達される。本酵素は、2分子の呼吸基質であるユビキノール8の酸化反応と1分子の酸素を水に還元する反応を細胞膜を介して異方的に触媒することにより、見かけ上合計8個のプロトンを輸送する酸化還元共役プロトンポンプとして働いている。本研究では、その鍵となるアミノ酸残基の置換変異が分子内電子移動に及ぼす影響をパルスラジオリシス法で検討した。野生型酵素では、水和電子との反応により生成したNMAラジカルによって還元され、ユビセミキノンアニオンラジカルが生じる。次に、キノンラジカルの酸化に伴って、ヘムbとヘムoの還元型が同時に現れた。さらにプロトン取り込みに関係すると思われるアミノ酸残基の置換変異がヘムb-o間の電子移動にどのような影響を与えるのか調べた。最も影響を受けたのはヘム周辺のHis333およびTyr288を置換した酵素であった。これらはCu_Bの欠失、ヘムOのヘムBへの置換、ヘムoの酸化還元電位の変化によると考えられる。一方Dチャネルの変異体D135NおよびE286Dは野生型とほぼ変わらない値を示した。この結果はDチャネルがヘムb-o間の電子移動に直接関与していないという従来の報告と矛盾しない。一方、Kチャネルの変異体であるK362Qでは一桁近く遅くなっているのに対してK362より分子表面に存在するGlu540を置換した変異体であるE540Qでではほとんど変化せず、Glu540はプロトン取り込みに関与しないことを示しており、K362Qがヘムoの還元の際におこるプロトン取り込みに重要な役割を果たしていることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Deligeer, R.Fukunaga, K.Kataoka, K.Yamaguchi, K.Kobayashi, S.Tagawa, S.Suzuki: "Spectroscopic and Functional Characterization of Cu-containing Nitrite Reductase from Hyphomicrobium denitrificans A3151"Journal of Inorganic Biochemistry. 91. 132-138 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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