研究分担者 |
尾高 雅文 理化学研究所, バイオ工学研究室, 研究員 (20224248)
野尻 正樹 理化学研究所, 研究技術開発室, 基礎科学特別研究員 (20333346)
河野 能顕 理化学研究所, 研究技術開発室, 研究員 (70321750)
遠藤 勲 宇都宮大学, 農学部, 教授 (00087470)
小林 達彦 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70221976)
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研究概要 |
ニトリルに水を付加するニトリルヒドラターゼを材料とし,SPring-8の超高輝度放射光を利用して4次元結晶構造解析を実現するために,理化学研究所ビームライン(BL45XU)に,大角度回転結晶法(LOT)を適用するためのワイセンベルグ機能を付加した.またビームラインの回折計に適合したノ』型カッパーゴニオメーターを開発してLOTに不可欠な結晶試料の軸立てを可能にした.これらにより従来2時間を要したフルデータ測定を20分まで短縮することができた.今後ニトリルヒドラターゼでは,データ測定領域を通常の半分に制限することにより10分以下の測定時間を達成する予定である. ニトリルヒドラターゼの光活性化過程の内の3段階について,単一の結晶試料を用いたクライオ凍結法によりそれぞれの結晶構造を1.6Åの高分解能にて明らかにした.これにより光により鉄から解離した一酸化窒素は,光照射後180分を経過しても反応キャビティ内部に留まっていることが判明した. ニトリルヒドラターゼと機能の類似したイソニトリルヒドラターゼ遺伝子(inhA)のクローン化ならびに大腸菌での高発現系構築に初めて成功した.イソニトリルヒドラターゼはPyrococcus horikoshii由来の細胞内プロテアーゼ(PH1704)と一次配列上の相同性を示した.部位特異的変異法によりイソニトリルヒドラターゼの活性アミノ酸残基の同定を試みた結果,Cys101が触媒機構上必須であり,またThr102も重要な役割を果たすことが判明した.
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