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2003 年度 実績報告書

細胞周期に共役した細胞の形態形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14380325
研究機関東京大学

研究代表者

大矢 禎一  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)

研究分担者 園池 公毅  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30226716)
キーワード細胞周期 / 出芽酵母 / 細胞壁 / チェックポイント / ダイナクチン複合体
研究概要

真核生物の細胞増殖は細胞周期と呼ばれる一連のプロセスを進行することによって起こるが、細胞周期は厳密に制御されていて、増殖に不適切な状況下ではその進行を停止する。既に我々は、細胞壁合成欠損株の表現型を解析する過程で、細胞壁合成の停止が核分裂の停止を引き起こすという興味深い現象を発見していた。そこで細胞壁合成をモニターする新しいチェックポイント制御機構が存在することを予想し、その分子機構を解明するために本研究を行った。その結果、グルカン合成欠損株はSPB複製後、紡錘体形成以前で細胞周期を停止することが明らかになり、グルカン合成停止によるG2期停止はClb2Pの異常により起きることが明らかになった。細胞壁チェックポイントが誘導されると、CLB2の転写因子であるFkh1p, Fkh2Pにシグナルが伝達され、CLB2の転写を制御していた。さらに、細胞壁チェックポイントによるG2期停止にはArp1pだけでなく、Jnm1p, Nip100pなどのダイナクチン複合体の全てが必要であった。グルカン合成欠損株だけでな<、グルカン合成阻害剤やmnn10Δ変異株によっても細胞壁チェックポイントが誘導されることから、細胞壁チェックポイントはグルカン合成だげではなく細胞壁合成全体、あるいは細胞壁の安定性をモニターしていると考えられた。以上の結果から、出芽酵母において新規のチェックポイント制御機構である細胞壁チェックポイントが存在することを提唱した。細胞壁チェックポイント機構は、有糸分裂を開始する前に、細胞壁合成が正常に行われ適切な大きさの芽が形成されることを保証していると考えられる。また、既知のチェックポイントとは異なることから、細胞壁チェックポイントは新規のチェックポイント機構であった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Abe, M., Qadota, K., Hirata, A., Ohya, Y.: "Lack of GTP-bound Rho1p in Secretory Vesicles of Saccharomyces cerevisiae."J.Cell Biol.. 162. 85-97 (2003)

  • [文献書誌] Nagai, Y, Nogami, S., Kumagai-Sano, F., Ohya, Y.: "Karyopherin-mediated Nuclear Import of the Homing Endonuclease, VDE, Is Required for Self-propagation of the Coding Region."Mol.Cell Biol.. 23. 1726-1736 (2003)

  • [文献書誌] Saito, T.L., Ohtani, M., Sawai, H., Sano, F., Saka, A., Watanabe, D., Yukawa, M., Ohya.Y., Morishita, S.: "SCMD : Saccaromyces cerevisiae morphological database."Nucleic Acid Res.. 32. D319-D322 (2004)

  • [文献書誌] Suzuki, M., Asada, Y., Watanabe, D., Ohya Y.: "Cell shape and growth of budding yeast cells in restrictive microenvironments."Yeast. (In press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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