研究代表者萩原らかクローニングしたhuman prp4(hPRP4)である。hPRP4はClk/StylとClk/Sty4に結合しリン酸化されるが、我々は非活性型Clk/Sty4に特異的に結合し、その活性を抑制する核蛋白を発見しClaspと名付けた(Katsu et al. JBC2002).さらに一連の合成化合物をスクリーニングし、Clk/StylとClk/Sty4の活性を特異的に阻害する物質を見出した。TG003と名付けたこの化合物はin vitroでも細胞内でも、SF2/ASF依存的あるいはClk/Styl依存的なスプライシングを抑制した(Muraki et al. JBC2004)。 MAPキナーゼカスケードも選択的スプライシングの制御において重要な役割を果たしていると想定されている。MAPキナーゼカスケードは種々の細胞外刺激によって活性化されるが、最近MAPKフォスファターゼ(MKPs)が続々と報告されつつある。我々はチロシンとセリン/スレオニンの双方を脱リン酸化するフォスファターゼSKRP1をクローニングして、そその酵素がMKK7と結合しJNKを脱リン酸化する全く新しいタイプのMKPとして働いていることを見い出した(Zama T. et al. J.Biol.Chem.2002a)。さらに驚くべきことに、SKRP1はMAPKKKの一つであるASK1とも特異的に結合しScaffold蛋白として機能することが判明した(Zama T. et al. J.Blol.Chem.2002b)。
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