研究概要 |
1.チェックポイントクランプ、クランプローダー系の再構築 クランプローダーRFCおよびクランプPCNAに類似した因子が見いだされている。その類似因子の内、チェックポイント応答に関与するRad17,Rad1,Rad9,Hus1のバキュロウイルス発現系を作成し、これらを用いてRad9-Hus1-Rad1からなるクランプおよびRad17-RFC2-5からなるクランプローダー様複合体の再構築を行った。これら2つの複合体は特異的な結合をし、さらに蛋白質イメージングにより、PCNAおよびRFCと相同の構造を持つことを明らかにした。 2.PCNA結合蛋白質の解析 ヒト細胞抽出液のPCNAカラムを用いた分画によりPCNA結合因子を単離し、これらの質量分析による網羅的解析により染色体接着因子Chl12が新規PCNA結合因子として単離されることを明らかにした。 3.染色体接着系のクランプローダーの再構築 上記Chl12をRFCのsmall subunitsと共発現することによりクランプローダー様の複合体になることを明らかにした。さらにPCNAカラムの結果に基づきPCNAとこの複合体が特異的に結合すること、さらに、ATP依存的にPCNAをDNAにロードすることを明らかにした。 4.Werner DNAヘリカーゼ結合蛋白質の発現と機能解析 細胞寿命に関与するWerner DNAヘリカーゼに結合する蛋白質として単離されたWhipという因子もRad17,Chl12同様、RFCに類似のアミノ酸配列を持つ。この因子もRFC small subunitsと複合体になってクランプローダー様の複合体になる可能性を検討した。その結果、Whipはクランプローダー様複合体とならずそれ自身の6〜8量体複合体を形成し、ATPase活性を有することを明らかにした。
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