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2003 年度 実績報告書

出芽酵母のDNA複製阻害タンパク質の生理活性の同定

研究課題

研究課題/領域番号 14380332
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

小林 武彦  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40270475)

キーワードリボソームRNA遺伝子 / 相同組み換え / 遺伝子増幅 / DNA複製阻害 / ゲノムの安定性 / Zn-fingerモチーフ / DNA結合タンパク質 / 出芽酵母
研究概要

リボソームの構成成分であるリボソームRNA(rRNA)は細胞内の全RNA分子の約70%を占める非常に多量に存在するRNAである。そのため、rRNAをコードする遺伝子(rDNA)も細菌からヒトの細胞に至まで多コピー遺伝子であり、特に真核細胞では反復遺伝子として、繰り返し100コピー以上存在する。通常このような反復遺伝子ではリピート間での相同組み換えにより、コピー数が徐々に減少していくと考えられるが、rDNAの場合コピー数を安定に保つ機構が存在し、例えば出芽酵母では約150コピー前後に保持されている。その安定化機構の一つは、減少したコピー数を元に戻す遺伝子増幅作用である。出芽酵母では報告者らが同定したFOB1遺伝子が増幅作用に必須の役割を担っている。本研究の最終的な目標は、その遺伝子の産物であるFob1タンパク質(Fob1p)の酵素活性を明らかにし、遺伝子増幅の分子メカニズムを解明することである。昨年までに、Fob1pがそのZn-fingerモチーフによりrDNAの非転写領域に存在するDNA複製阻害配列(RFB配列)に特異的に結合し、複製フォークの進行を阻害していることを見いだした。RFB配列の長さが約100bpとタンパク質の結合部位としては異例に長いことから、本年度は、精製したFob1pを用いてin vitroでの結合様式を原子間力顕微鏡で解析した。その結果、興味深いことにRFB配列はダイマーのFob1pにあたかもヌクレオゾーム構造のように一周巻付いて結合していることが判明した。
rDNAはヘテロクロマチン化していることが知られており、このような巻つき構造がこの領域でのFob1pとRFB配列の安定な結合を可能にしていると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takeuchi, Y., Horiuchi, T., Kobayashi, T.: "Transcription-dependent recombination and the role of fork collision in yeast rDNA"Genes & Development. 17. 1497-1506 (2003)

  • [文献書誌] Kobayashi, T: "The replication fork barrier site forms a unique structure with Fob1p and inhibits the replication fork"Molecular & Cellular Biology. 23. 9178-9188 (2003)

  • [文献書誌] Serizawa, N., Horiuchi, T., Kobayashi, T.: "Transcription-mediated hyper-recombination in HOT1."Genes to Cells. In press. (2004)

  • [文献書誌] Kobayashi, T., Horiuchi, T., Tongaonkar, P., Vu, L., Nomura, M.: "Saccharomyces cerevisiae SIR2 decreases unequal sister-chromatid recombination in rDNA repeats without significant effects on recombinational events within individual rRNA genes"Cell. In press. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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