研究課題/領域番号 |
14380339
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
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研究分担者 |
長浜 正巳 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (60281169)
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (40266896)
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キーワード | 小胞体 / 膜融合 / 小胞輸送 / 細胞周期 / アポトーシス |
研究概要 |
NSF-α-SNAP-SNAREs複合体は、細胞内の膜融合を司るタンパク質複合体である。申請者らは小胞体に存在するsyntaxin18(以下syn18)が、ZW10(紡錘体形成チェックポイントに関与)、RINT-1(G2/M期の進行に関与)、p31(酵母Use1pオルソログ)、BN : P1(アポトーシスを誘導するBH3-onlyタンパク質の一つ)と相互作用して複合体を形成していることを明らかにした。この複合体を介した膜融合、細胞周期、アポトーシスのクロストークの実態を解明するために、本年度は以下の研究を行った。 1)タンパク質間相互作用の解析 酵母two-hybrid系を用いた解析で、syn18とP31、ZW10とRINT-1が直接相互作用することを昨年度明らかにしていたが、今年度は、BNIP1とRINT-1の直接の相互作用を確認した。現在、これらのタンパク質に関しては、大腸菌で発現させた組換えタンパク質を用いての結合実験を進めている。また、BNIP1のBH3ドメイン内のよく保存されたロイシン残基(Leu-114)がα-SNAPとの結合に必須であることを組換えタンパク質を用いて確認した。 2)syn18複合体の機能解析 昨年度、ZW10の過剰発現またはRNAi法によるノックダウンによって、ZW10が小胞体とゴルジ体間の小胞輸送に関与することを示唆する結果を得たが、それを確認するために、VSVG-GFPの小胞体からゴルジ体への輸送を測定した。ZW10を過剰発現およびノックダウンさせた時に、タンパク質の輸送は阻害されたことから、ZW10の小胞輸送への関与が明らかとなった。 BNIP1に関しても、過剰発現、RNAi法によるノックダウン、抗体のマイクロインジェクションを行い、このタンパク質が小胞体とゴルジ体間の小胞輸送には関与しておらず、むしろ小胞体同士の膜融合に関与する証拠を得た。
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