研究課題/領域番号 |
14380340
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
佐邊 壽孝 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子生物学部門, 研究部長 (40187282)
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研究分担者 |
八木 良平 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子生物学部門, 日本学術振興会特別研究員
矢野 元 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子生物学部門, 研究員 (00284414)
橋本 茂 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子生物学部門, 研究員 (50311303)
橋本 あり (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子生物学部門, 日本学術振興会特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 細胞運動 / Arf6 / ArfGAP / AMAP2 / PAG3 / endocytosis / cndosomal recycling / amphiphysin / 癌浸潤 |
研究概要 |
これまでに、我々の同定したArfGAPであるAMAP2/PAG3/Papα/KIAA0400がArf6に対するGAPとして作用すること、そのことにより、形質膜の進展に関わり、AMAP2の強制発現は膜進展を阻害し、細胞運動を阻害することをモデル実験系で示し報告してきた。一方、同ArfGAP分子はin vitroにおいてはArf6以外のArf isoformsに対して効率的なGAP活性を示すことが示されている。今年度は、AMAP2の細胞内でのArf機能に関与するメカニズムを明らかにすると共に、このin vivoとin vitroのGAP活性の見かけ上の不一致の生物学的意義を明らかにする為、解析を行った。まず、RasやRho等の他の低分子量G蛋白質に対するGAP蛋白質とは異なり、AMAP2はそのGAP領域を介してGTP-Arf6に特異的に結合することを見い出した。GDP-Arf6や他のArf isoformには有意な結合性は認められなかった。さらに、AMAP2はamphiphysi-IIやintersectin-Iといったendocytic machineryと強く結合しうることを見い出した。我々の一連の結果は、AMAP2はArf6が介在するendocytosisのmachineryの一つであり、そのprimingcomplex形成に関与することを明らかにした。今回の結果は我々の以前の報告の正しさをさらに確証すると共に、Arf6が介在するendocytosis/exosytosisによるEndosomal Recycling活性が細胞運動制御に深く関わっていることをさらに証拠付けた。(平成14年度) 平成15年度においては今一つのpaxillin結合性ArfGAP蛋白質であるAMAP1に関しても解析を進め、このものが乳癌細胞の浸潤に必要である形質膜の基底膜への進展と浸潤において重要な役割を果たしていることを明らかにし、病理学的解析とも合わせ、上皮がん細胞の浸潤転移における役割と、どのようにすれば上皮がん細胞の浸潤転移を阻止することができるのかに関して幾つかの知見を得た。さらに、AMAP1がその機能発揮の対象とする低分子量G蛋白質Arf6の乳癌細胞における役割も解析し,Arf6がその浸潤活性発揮に必須であることを明らかにした。また、Arf6の蛋白質レベルの調節の何らかの破綻が浸潤性獲得に寄与していることを示した。(平成15年度)
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