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2003 年度 実績報告書

原条領域のアイデンティティ確立機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14380345
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

佐々木 洋  独立行政法人理化学研究所, 胚誘導研究チーム, チームリーダー (10211939)

キーワード体軸形成 / 原条 / 脊椎動物 / TEF / 転写制御因子 / シールド
研究概要

脊椎動物胚の体軸形成は胚形成の基礎となる重要な現象である。本研究は、私が同定した転写因子TEFが、体軸形成領域(ノードと原条)で活性化していることと、ハエでは翅のアイデンティティを支配していることから、その機能解析を通して体軸形成領域のアイデンティティ確立機構を解明しようとするものである。マウスには4つのTEF遺伝子が存在するが、初期胚において、すべての遺伝子が同様のパターンで体軸形成領域を含み広く発現していた。そこで、4つのTEFとそのコファクター候補である2つのVestigial遺伝子について、その体軸形成における機能を遺伝学的に解析するために、遺伝子ノックアウトマウスの作成を進めている。一部については完成したが、変異をホモに持つ個体でも生存しており、それらについては、今後、さらに多重変異体を作成して機能解析をする予定である。
培養細胞の実験から、TEFは原条で発現しているWntシグナルの下流で働く因子と協調的にエンハンサーに結合して遺伝子の活性化を行うことを見出した。
ゼブラフィッシュ胚から3つのTEFをクローニングし、TEFを正あるいは負の転写因子に改変した物をゼブラフィッシュ胚に過剰発現させて、その体軸形成における機能を解析した。シールドで発現するFoxa2遺伝子は、胚にVP16-TEFを過剰発現すると発現領域が拡大し、逆にTEF-EnRで抑制され、TEFの正の転写因子としての機能がシールド形成に重要であることが示唆された。さらに、VP16-TEFは単独ではシールドを誘導できず、Wntシグナルあるいはその下流で働く因子と協調的に働くことによりシールド形成をつかさどることが示唆された。
これらの結果は、TEFは体軸形成シグナルと協調的に作用することにより原条領域のアイデンティティの確立に関わっていることを示唆するものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Karlstom, RO他6名: "Genetic analysis of zebrafish glil and gli2 reveals divergent requirements for gli genes in vertebrate development."Development. 1549-1564 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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