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2005 年度 実績報告書

精原細胞の減数分裂開始機構

研究課題

研究課題/領域番号 14380347
研究機関熊本大学

研究代表者

安部 眞一  熊本大学, 理学部, 教授 (90109637)

キーワード精巣 / 減数分裂開始 / 精原細胞 / セルトリ細胞 / ニューレギュリン / FSH
研究概要

精子分化過程において、体細胞分裂を行う精原細胞が減数分裂を開始する機構は未解決である。我々はこれまでにイモリ精巣培養系を用いて解析した結果、減数分裂開始のチェックポイントが精原細胞の第7世代にあり、FSHとプロラクチンの濃度比によって調節されるという仮説を構築した。減数分裂に入るためには、FSHによって活性化されたセルトリ細胞からアポトーシスを回避する因子が分泌され、精原細胞に働くことが必要であると考えられた。
そこで、我々はcDNAマイクロアレイを行い、FSHで発現が上昇するイモリ精巣由来クローンのうち、分泌因子をコードするneuregulinの機能ドメインであるEGF-like domainの組み換えタンパク質を作成し、イモリ精巣の器官培養や再凝集培養系に添加した結果、精原細胞の増殖を促進することが明らかになった。
また、マウス精巣でもNRG1、NRG3がセルトリ細胞に発現していることを示したので、それらのEGF様ドメインだけの組換えタンパク質を作製し、A型精原細胞しか存在していない生後6日目のマウス精巣を器官培養して精原細胞の増殖、分化に対する効果を調べた。その結果、NRG1、NRG3は精原細胞の増殖を促進させたことに加え、減数分裂を開始する精母細胞に特異的なSPO11の発現を有為に活性化した。さらに、FSHがNRGsの発現を誘導したことから、NRGsはFSHの作用によってセルトリ細胞での産生が促進されていることが考えられた。これらの結果は、NRGsがマウス精子形成過程において精巣内でセルトリ細胞から分泌されて働く因子として減数分裂の開始に重要な役割を果たしていることを示唆した。NRG1のconditional knock out mouseを作成するためのconstructを現在作成中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Assessment of estrogenic chemicals using an estrogen receptor α (ERα)- and ERβ-mediated reporter gene assay in fish.2006

    • 著者名/発表者名
      Kitano, T., Koyanagi, T., Adachi, R., Sakimura, N., Takamune, K., Abe, S.-I.
    • 雑誌名

      Marine Biology (In press)

  • [雑誌論文] Organochlorine contaminants in human adipose tissues from China : mass balance approach for estimating historical exposure to DDTs by Chinese.2005

    • 著者名/発表者名
      Nakata, H., Nasu, T., Abe, S., Kitano, T., Fan, Q., Li W., Ding, X.
    • 雑誌名

      Environmental Science and Technology 39

      ページ: 4714-4720

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Involvement of Xtr(Xenopus tudor repeat) in microtubule assembly around nucleus and karyokinesis during cleavage in Xenopus laevis.2005

    • 著者名/発表者名
      Hiyoshi, M., Nakajo, N., Abe, S.-I., Takamune, K.
    • 雑誌名

      Develop., Growth, Differ. 47

      ページ: 109-117

  • [図書] 新編 精子学(毛利秀雄, 星元紀 監修)2006

    • 著者名/発表者名
      安部眞一
    • 総ページ数
      450
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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