研究課題/領域番号 |
14380350
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
西脇 清二 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, チームリーダー (30342827)
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研究分担者 |
久保田 幸彦 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員 (70333325)
鈴木 教郎 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員
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キーワード | 細胞移動 / ADAM family / C.elegans / 変異体 / COG複合体 / コンドロイチン |
研究概要 |
1.遺伝子発現と機能の解析 (1)mig-29とmig-30の解析:遺伝子クローニングからmig-29およびmig-30変異体の原因遺伝子はともに蛋白質の分泌過程の小胞輸送に必要なCog3およびCog1のホモログをコードする。これらは哺乳類では8量体からなるCOG複合体の構成因子である。線虫のゲノムを検索したところ残りのCog2およびCog4-8に相当する遺伝子が全てあった。これらをRNAiにより機能破壊するとやはりDTC移動異常が現れた。mig-29とmig-30変異体ではDTC移動を調節するADAMプロテアーゼMIG-17の生殖巣上への局在が見られなかった。さらに、遺伝学的な解析からMIG-29はMIG-17の働きを介してDTC移動を調節することが分かった。この研究からCOG複合体が細胞移動調節に働くことが初めて明らかになった。 (2)mig-26とmig-22の解析:遺伝子クローニングからmig-26およびmig-22まそれぞれコンドロイチンの合成に必要なコンドロイチン合成酵素およびコンドロイチン重合因子をコードする。これらの変異体ではDTCが1回目の方向転換の後、腹側から背側への移動が異常となり、しばしば背側筋肉まで到達できない。DTCの腹側から背側への移動には分泌蛋白質ネトリンによるガイドが働くことが知られている。mig-22あるいはmig-26変異体と線虫ネトリンunc-6あるいはその受容体unc-5の変異体との二重変異体を作成したところ、背側筋肉まで到達できない表現型は後ろ側DTCでは増強されたが、前側DTCでは逆に抑圧された。同様の表現型はmig-22、mig-26変異体において野生型unc-6あるいはunc-5遺伝子を過剰発現しても見られた。これらの結果はコンドロイチンがUNC-6によるガイドシグナルを安定化させる緩衝作用を持つこと示唆する。
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