研究課題
基盤研究(B)
まずSRKラットの発症機構を分子生物学的に検討した。まずSRKラットのフェノタイプがリーラーマウスに極めて似ていることより、ラット・リーラーであることを想定して、ラット・リーリンの全長をクローニングした。その結果、ラット・リーリンはヒトあるいはマウスリーリンと98%の相同性を示し、極めて種間で保存されていることを明らかにした。さらにSRKラット・リーリンの全長をクローニングし、全領域をPCR法により増幅してそのサイズを調べたところ、62ベースの欠失があり、スプライシングの異常があることより、SRKラットはリーリンヌルラットであることが明らかとなった。ついでSRKラットの層構造異常を神経回路標識法を用いて検討した。生後3週令のSRKラットおよび正常ラットを麻酔し、WGA-HRPを実験動物の視床外側腹側核に注入した。別に脳梁交連線維系と皮質脊髄路起始ニューロンを標識する目的で、実験動物の右側大脳皮質あるいは脊髄にHRPを注入した。正常ラットの皮質視床路ニューロンは、ほぼ運動野の皮質最深層である6層に限局して分布していたが、SRKラットの皮質視床路ニューロンはその多くが軟膜直下の多形細胞層に分布していた。対照動物の標識脳梁交連線維系ニューロンは、2/3層に最も集中して分布するが、SRKラットの標識脳梁交連線維は皮質の深層に分布した。さらに正常マウスの皮質脊髄路ニューロンは皮質の第5層に限局したが、SRKラットの皮質脊髄路ニューロンは皮質の全層に散布した。リーラーマウスとヨタリマウスの皮質脊髄路ニューロン、脳梁交連繊維系ニューロン、皮質視床路ニューロンの分布を調べたところ、皮質脊髄路ニューロンの分布パターンがヨタリとリーラーで異なることが明らかとなった。したがってリーリンタンパクの下流で機能するDab1タンパクは、リーリンタンパク以外の分子にも制御される可能性があることを示した。
すべて 2004 2003 2002 その他
すべて 雑誌論文 (22件)
Developmental Brain Research 148(1)
ページ: 89-96
European Journal of Neuroscience 20(1)
ページ: 2909-2916
Dev.Brain Res. 148(1)
Eur J Neurosci. 20
FASEB Journal 17(2)
ページ: 295-297
Journal of Comparative Neurology 461(1)
ページ: 61-75
Developntal Brain Research 141(1-2)
ページ: 1-13
Journal of Comparative Neurolology 463(3)
ページ: 303-315
Archiev of Histolology Cytology 66(3)
ページ: 209-220
CLINICAL NEUROSCIENCE 21(2)
ページ: 168-170
臨床精神医学 32(1)
Congenital Anomaly 43(2)
ページ: 97-104
FASEB J 17(2)
J.Comp.Neurol. 461(1)
Dev.Brain Res. 141(1-2)
J.Comp.Neurol. 463(3)
Arch.Histol.Cytol. 66(3)
Neuroscience 114(2)
ページ: 427-438
脳と精神の医学 13(4)
ページ: 411-417
European Journal of Neuroscience (未定)(印刷中)
Eur J Neurosci (in press)