研究課題/領域番号 |
14380359
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 英明 熊本大学, 医学研究科, 教授 (90106906)
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研究分担者 |
岡藤 辰也 熊本大学, 医学研究科, 助手 (70315307)
太田 訓正 熊本大学, 医学研究科, 助手 (90244128)
郷 正博 熊本大学, 医学研究科, 助手 (00304999)
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キーワード | 運動ニューロン / 筋支配 / 神経回路網形成 / シグナルシークエンストラップ法 / 筋細胞 / ロイシンリッチリピート |
研究概要 |
運動ニューロンサブタイプの選択的な筋支配様式と後根神経節からの単シナプス性入力からなる反射回路は、最も詳細に研究されてきた神経回路網であるが、神経回路網形成を可能にする分子的実体はEph受容体型チロシンキナーゼ以外は殆ど不明である。 この研究計画では、分泌あるいは膜結合型蛋白質のアミノ酸配列に存在するシグナルシークエンスを持ち、且つ運動ニューロンサブタイプに選択的に発現されるcDNAを探索した。運動ニューロンに選択的に発現するSC1分子に対する抗体を用いたイムノパンニング法により孵卵5日目ニワトリ胚から運動ニューロンを精製し、そのRNAを用い、シグナルシークエンスを持つcDNAを選択的にクローニングするシグナルシークエンストラップ法を遂行した。その結果、得られたクローン約200個のシークエンスとin situハイブリダイゼーションによるスクリーニングから、発生初期胚の運動ニューロンに選択的に発現されている2種の新規膜蛋白質を見出した。クローン10B4は613アミノ酸からなり、その細胞外領域は選択的に筋細胞に結合することをアルカリフォスファターゼとの融合蛋白質を用いて明らかにした。クローン273は722アミノ酸からなっていた。両分子共に分子構造として、蛋白質間の結合活性を持つロイシンリッチリピートが存在するために、運動ニューロンと標的筋や途中の軸索路における細胞間相互作用に機能する分子と期待され、さらなる解析を進行中である。
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