研究課題
発達期における言語を含むコミュニケーションという高次脳機能の可塑性を、非侵襲的脳機能画像法を用いて解析することを目的とする。発達期における視覚あるいは聴覚脱失が個体間コミュニケーション機能を担う神経回路をどのように改変するかを、非侵襲的脳機能画像法を用いて、早期視聴覚障害を蒙った成人被験者を対象に観察し、これにより発達期の可塑的変化を間接的に解析した。発達期における視覚脱失により、触覚弁別処理が、その本来の入力をうける領域以外のところ(視覚野)で処理されうることが示され、点字読というコミュニケーシヨン手段の脳内処理過程の一端が明らかとなった。さらに、発達期における聴覚脱失により、視覚的な動きの情報処理が聴覚領域の活動と関連していることが示され、手話の脳内処理過程の一部が明らかとなった。さらにこれらの可塑的変化を示す領域の少なくとも一部分は、健常成人における異種感覚統合の神経回路と共通するものであることが示された。
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