研究課題/領域番号 |
14380373
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
遠藤 昌吾 独立行政法人理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, 上級研究員 (60192514)
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研究分担者 |
THOMAS Launey 独立行政法人理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 研究員 (30322704)
池田 敏男 独立行政法人理化学研究所, 行動遺伝学技術開発研究チーム, 専門職研究員 (80252526)
瀧嶋 邦夫 防衛医科大学校, 生化学第一講座, 教授
佐藤 泰司 防衛医科大学校, 生化学第一講座, 助手
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キーワード | MAPキナーゼ / 核内移行 / 遺伝子欠損マウス / loxP / Cre / ERK2 |
研究概要 |
本研究はMAPK(mitogen activated protein kinase)に属するERK2(extracellular signal regulated kinase)の生理機能を明らかにすることを目的とし、ERK2遺伝子欠損マウスの作出、ERK2の核移行機構の解析と、ERK2欠損細胞株の樹立などを行ない以下の結果を得た。 我々は昨年度までにloxP配列でERK2遺伝子を囲んだマウスを作出した。このマウスを組み替え酵素Creを小脳プルキンエ細胞特異的に発現するマウスと交配により生まれたマウスにおいてはERK2がプルキンエ細胞特異的に欠損している事を、免疫染色により確認した。今後、ERK2をプルキンエ細胞特異的に欠損したマウスの小脳依存的学習等の行動解析を行う予定である。 さらに、昨年度に開発した「ERK2の活性化と核移行を同時にリアルタイムで画像解析できる系」を用い、ERK2核内移行について詳細に解析した。その結果、ERK2の核内移行には二量体化が重要な役割を果たしているという仮説を直接的に証明することができた。また、ERK2の効率的な核内移行には、従来必要十分と考えられてきたMEK依存性情報伝達経路だけでは不十分であり、他の経路からのシグナルが必要であるとの示唆を得た。更に、この解析の中で作製した複数のERK2変異体が細胞内分布機構に障害を有することが判明し、ERK2の生理作用を研究する上での有力なツールとなることが示された。 また、ERK2遺伝子欠損P19細胞については、スクリーニングで得られた相同組み換え体に対してCre発現ベクターを導入し、欠損細胞のスクリーニングを試みている。
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