• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 研究成果報告書概要

嗅細胞の匂い情報変換にかかわる細胞内分子ネットワークの解析

研究課題

研究課題/領域番号 14380376
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 神経・筋肉生理学
研究機関大阪大学

研究代表者

倉橋 隆  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (90225251)

研究分担者 竹内 裕子  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助手 (10324823)
研究期間 (年度) 2002 – 2004
キーワード嗅細胞 / 視細胞 / ケージド化合物 / cAMP / Ca / 順応 / 信号増幅 / caged compound
研究概要

過去15年にわたり論争が繰り広げられた嗅覚のメカニズムの問題である「cAMP説とIP3説の論争」に大きな前進をつける実験を計画・実行し、「cAMPこそが嗅覚の幅広い匂い分子群すべての情報伝達を仲介する因子である」ことを主張した。この論文発表時には、同号に嗅覚の特集が組まれ、嗅覚研究の第一人者であるピーター・バリー教授(ニューサウスウェールズ大学・オーストラリア)による解説が付属され、さらに、ロックフェラー大学出版は、2003年度Noteworthy Article(1年間で12報が選出されています)の1つとして同論文をピックアップし、その事実を国際的に報道するというほどの評価を得ることとなった。
また、最新の研究成果では、これまで実験的に困難とされてきた課題、すなわち直径0.2ミクロンという微細嗅繊毛内における情報変換分子cAMPの実時間濃度測定を行ったものであり、これによって、嗅覚情報変換における信号増幅の様式が明らかになった。感覚細胞としては、すでに、視細胞で信号増幅の様式が非常に詳しく知られており、たった一つの光量子(photon)情報が酵素過程による信号増幅によって25万分子のcGMPを加水分解し、これによって視細胞が一光量子応答を生ずることが分かっている。嗅覚でも視細胞と同様のG蛋白介在性の情報変換が利用されているため、酵素系による信号増幅によって低濃度の匂いを感知すると一般的には考えられてきた。しかし、今回の実測値では、嗅覚細胞では最大の活性状態でも、cAMPの生成は細胞全体で20万分子/s程度であることがわかり、従来からの予想を覆す形となりました。結果がわかってみると、この低増幅の酵素システムは、ATP消費を最低限に抑えるという点で生体システムには合目的的であると言え、加えて、嗅細胞では、繊毛という微細構造体が大きな表面積/容量を持つことにより、わずかなセカンドメッセンジャー分子変化を増幅し、また、サードメッセンジャーとも呼ぶべきCaイオンが興奮性のClチャネルを開口することで更なる信号増幅を行うことも明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Bhc-cNMPs as either water-soluble or membrane-permeant photo-releasable cyclic nucleotides for both one and two-photon excitations2004

    • 著者名/発表者名
      T.Furuta ら
    • 雑誌名

      ChemBiolChem 5

      ページ: 1119-1128

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 臭覚生理学2004

    • 著者名/発表者名
      倉橋 隆
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      フレグランスジャーナル社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2007-12-13  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi