研究課題
基盤研究(B)
3年間の研究期間において、以下の2つの研究プロジェクトを推進し、具体的な成果を得た。研究プロジェクト1.ドーパミンニューロンの担う神経情報の同定報酬確率の異なる意志決定と行動選択課題をサルにおこなわせ、中脳ドーパミンニューロンの活動を記録した。その結果、ドーパミンニューロンは報酬の予測誤差情報と動機づけ情報を担っていることを明らかにした。報酬予測誤差情報は線条体や辺縁系、大脳皮質前頭葉に投射され、多くの報酬を獲得するような意志決定と行動選択メカニズムに必須の役割を担うと考えられる。一方、ドーパミンニューロンの担う動機づけ情報は2つの機能的な役割を担うと考えられる。一つは報酬を予測させる手がかりによって動物を報酬獲得行動に駆り立てるはたらきである。目的志向性を生み出す基礎となる過程であり、行動に意欲を与える。第二は、報酬予測誤差情報の符号化の利得調節である。研究プロジェクト2.線条体ニューロンによる動機づけと価値のコーディング研究行動の情報、報酬、嫌悪などの文脈情報、報酬予測の情報が線条体にどのように表現されているかを調べるために、サルに行動課題を行わせ、単一ニューロンの活動を記録した。その結果、行動に関しては運動の方向、速さや大きさなどの運動を制御するためのパラメータ情報よりも、運動の組み合わせ、順序などの複数の運動をゴールに向けて組み立てるために必要な情報が再現されていることを見出した。また、線条体ニューロンは行動が報酬や嫌悪刺激に繋がるという動機づけの文脈を検出し、識別する事を発見した。更に、機能的MRIを用いたヒトの脳機能研究を行い、報酬に基づく行動選択学習に大脳基底核、特に尾状核が深く関わることを明らかにした。
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