研究概要 |
本年度は主にClostridiumとLactobaccillusについてFISH法の基礎的検討を行った。Clostridiumはすでに培養法ならびにクローニング法により検出した16SrDNAの塩基配列を基に系統樹を作成し、グルーピングを行った。その結果、ほとんどの株はCluster XIVa, Cluster IV,グラム陰性菌郡内に含まれた。またCluster XIVaとCluster IVはそれぞれ二つのグループに分けられた。これらの菌群に対して5つのプローブをARBのプログラムを用いて作成し、分離したDNAを用いてどっと・ブロットにより特異性を確認したところ、一部に非特異的に反応するものもみられたが、特異性は十分であると考えられる。 Lactobacillusは菌属特異的プローブ、L. intestinalis (16S), L.Johnsonii (23S), L.. murinus/animalis (16S), L reuteri (16S) [L. intestinalisとL. murinus/animalisのプローブは今回デザインしたもの]のプローブを用いて104の分離株と特異性をドット・プロットで検討したところ、8株がいずれのプローブとも反応しなかった。この内代表的な3株の16SrDNAの塩基配列を調べたところ、2株がL. vaginalis、もう一つがL. johnsoniiならびにL. gasseriと98%以上の相同性を示した。これらのプローブをラベルして培養菌液を用いたFISH法ではL. johnsonii特異的プローブが十分な反応を示さなかった。
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