研究概要 |
マウス腸内から生理的性状ノトバイオート(ACストック)の作出に不可欠なClostridium, Bacteroidaceae, Lactobacillus, Filamentous bacteriaの4菌群を普通マウスならびにACストックの糞便から分離した菌株の16S rDNAと直接糞便からクローニングして得た16S rDNAの塩基配列を解析し、上記菌群ごとに系統樹を作成してマウス腸内フローラのデーターベースを構築した。系統樹を基にグループ特異的プローブをデザインした。Clostridiumはほとんどの株がCluster XIVa, Cluster IV,グラム陰性菌郡内に含まれた。また、Cluster XIVaとCluster IVはそれぞれ二つのグループに分けられた。これらの菌群に対して5つのプローブをARBのプログラムを用いて作成した。このうちCluster XIVa, Cluster IV,に属する菌を検出するためのプローブ各2種類、計4種類は糞便のダイレクトスメアで明瞭に菌体を識別できた。Lactobacjillusは12種類のプローブをセットとして用いた。このうちLbin (L.intestinalis), Lbjg (L.johnsonii/L.gasseri), Lbmu (L.murinus/L.animalis), Lbva (L.vaginalis)は今回の研究でデザインしたものである。マウスの糞便のダイレクトスメアを酵素処理することでいずれも特異的にマウス腸内でも反応した。Bacteroidesグループの菌種特異的プローブ8種類(B.acidofaeciens, B.distasonis, B.fragilis, B.ovatus, B.thetaiotaomicron, B.uniformis, B.vulgatus)を作成した。Bacteroidesクラスター特異的プローブ(Bfa602)、"fragilis"グループ特異的プローブ(B303)ならびに新たに報告された絶対嫌気性のBacteroidesグループ特異的プライマー(MIB662)の合計11種類のプローブをBacteroides用プローブセットとして設定した。これらのプローブセットはマウス腸内フローラのモニタリングに十分に使用可能であることが明らかとなった。
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