研究課題/領域番号 |
14380381
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
野口 基子 静岡大学, 理学部, 教授 (40021951)
|
研究分担者 |
徳元 俊伸 静岡大学, 理学部, 助教授 (30273163)
野崎 正美 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30189394)
木村 透 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (50280962)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | マウス / 奇形腫高発系 / 遺伝子改変マウス / 奇形腫原因遺伝子 / 染色体マッピング / 始原生殖細胞 / 分化全能性 / PTEN |
研究概要 |
マウスの始原生殖細胞(PGC)は精子や卵へ分化する。しかし胎仔精巣においてPGCが、成熟卵巣において卵母細胞がそれぞれ分化全能性細胞へ変わり、奇形腫(テラトーマ)を形成することがある。本研究では、生殖細胞を起源とする奇形腫を高率に発症する高発系マウスや遺伝子改変マウスを用いて、生殖細胞の発生と奇形腫形成に関するつぎの成果を得た。 1.PGCを起源とする実験的精巣性奇形腫の高発系と非形成系統の間で奇形腫の有無とマイクロサテライトDNAマップマーカーの系統多型との連鎖解析を行い、実験的精巣性奇形腫原因遺伝子候補領域を複数の染色体にマップした。 2.新規の幹細胞欠損遺伝子Ka(Kasumi)を見いだし、Kaコンジェニック系を樹立した。Ka変異は精巣性奇形腫の発症率を上げ、卵巣性奇形腫の発症率をさげた。 3.癌抑制遺伝子PTENのPGC特異的欠損マウスでは、精巣性奇形腫を発症し,PI3K/Aktシグナルの活性化が、PGCが分化全能性を獲得する過程に関与した。Wnt/beta-cateninシグナルの抑制が、PGCの増殖に重要であった。一部の雌は卵巣性奇形腫を発症したが卵細胞特異的PTEN欠損マウスでは全く発症せず、高発系とは別のメカニズムでPGC起原の卵巣性奇形腫が発症することが示唆された。 4.Oxct2a、Oxct2bおよびTact1等の半数体精細胞特異的遺伝子にはイントロンレス遺伝子が多く、CpGアイランドを持ち、発現にはその脱メチル化が必要であった。 雄性生殖細胞は本来プロモーターでない配列からでも転写できること、生体生殖細胞遺伝子導入法のプロモーターアッセイ系を確立し、TATA-boxなどの精細胞特異的なプロモーターを同定した。 5.卵成熟機構のプロテアソームの生化学的成果を得た
|