研究課題/領域番号 |
14380382
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 助教授 (50106647)
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研究分担者 |
木村 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00110560)
近藤 靖 田辺製薬(株), 創薬研究所, 研究員
高田 達之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 助教授 (90206756)
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キーワード | カニクイザル / EG細胞(embroyonic germ cell) / 始原生殖細胞 |
研究概要 |
EG(embryonic germ)細胞の樹立には始原生殖細胞(PGC, primordialgemmcen)細胞を採取する必要がある。始原生殖細胞(PGC)は尿膜基部に発生し、発生に伴い背部腸管膜を通って、生殖隆起へと移動する性質を持っている。それ故PGCを採取するにはサルの胚発生とPGCおよび生殖隆起の形成時期を正確に把握する必要がある。サルの胎仔発生とPGCの移動に関してはほとんどデータが無いため、初年度はその関係を調べることから始めた。 妊娠30、36、42、50胚においてPGCの移動の目安となる生殖隆起が観察されるか否かを調べたところ30、36日胚では認められず、42、50日胚において生殖隆起が形成されていることが分かった。この結果からマウスのPGC採取に使われる10.5日胚、12.5日胚はサルではそれぞれ約30日胚、42日胚に相当するということが分かった。そこで32、36、42日胚を使用して実際にPGCが存在すると考えられる背部腸管膜(32、36日胚)、および生殖隆起(42日胚)から細胞を採取し、LIF(leukemia inhibitory factor)、bFGF、SCF(stem cell factor)の存在下、feeder細胞上で培養を行った。PGC細胞の存在はその指標となるアルカリフォスファターゼ活性の染色により行った。その結果、本培養条件でPGC細胞は1ヶ月以上維持されることがわかった。しかしこの期間、EG細胞の特徴であるコロニーを形成する細胞は認められなかった。またより早い発生時期のPGC細胞の方が増殖が良いことも分かった。今後培養条件、増殖因子、feeder細胞などの条件を変化させてEG細胞の樹立を試みる予定である。
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