研究分担者 |
中野 栄二 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90198151)
藤居 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70302122)
関 和則 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20206618)
星宮 望 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005394)
高橋 隆行 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (70197151)
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研究概要 |
本研究では、足踏み式車椅子の走行をFESで制御し、下肢不自由者の高速移動とそれによる日常生活活動の拡大を目的としている。平成15年度は、以下の研究を行った。 足踏み車椅子の表面電極式FES制御による走行実験 1.新たに開発した2次元ベクトル力センサを用いて,ペダルに発生する力ベクトルから膝および股関節に発生するトルクを推定する方法を開発した,これにより,FES制御下の脚発生力を正確に推定する手法が確立された. 2.上記の手法を用いて,健常被験者でのFES制御方式による足漕ぎ車椅子の走行解析を行った.その結果大腿四頭筋とハムストリングに加え,大殿筋も刺激することで発生するトルクが安定することが明らかとなった. 3.健常被験者にて、ペダルを前回転、後回転させたときの下肢筋の筋電図を解析し、足漕ぎ車椅子の前進走行および後進走行用の刺激パターンを作成した. 4.頸髄損傷による四肢不全麻痒者(49歳男性)の協力を得て,FES制御によるサイクリング運動の再建を試みた.この際、前進、後進走行用の刺激パターンはアームレストに取り付けたジョイスティックを前および後へ倒すことによって選択できるようにした。その結果,世界で初めて座位でのサイクリング運動再建に成功し、足漕ぎ車椅子を前後方向に自由に走行させることができた。しかしながら,ペダル1回転の一部(股関節)から見て最遠点と最近点付近)でトルクの減少が見られ,そこからの発進が困難であることも明らかになった.上記(2)で述べたように,大殿筋を追加したことによるいくらかの改善も見られたが,大幅に発生力が増加するには至らなかった. なお、実験を行うにあたり、被験者に実験の目的、方法、予想される結果、考えうるリスクおよびその対策などについて詳細に説明し、被験者より承諾を得た。
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