研究分担者 |
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
正宗 英津子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (20345268)
稲田 紘 兵庫県立大学, 大学院・応用情報科学研究科, 教授 (20028393)
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研究概要 |
心臓突然死の主要な原因である心室細動(VF)は、その大部分が心室頻拍(VT)を契機として発生する。このVF/VTの発生停止メカニズム解析のための実験的手段として、光学的心臓膜電位マッピングが行われている。本研究はこの研究用計測システムとして下記の新たな機能を持つシステムを開発した。 (1)2台の高速度ビデオカメラを用い、さまよい運動する心臓興奮を心室表面の広領域にわたり高い空間・時間分解で光学的マッピング可能とする計測システムを開発した。 (2)心臓表面の3次元形状も考慮に入れ,局所の正確な興奮伝播速度、興奮波面の曲率半径など、スパイラルリエントリーダイナミクス解析上の重要なパラメータを精度よく計測手法を開発した。 (3)スパイラルリエントリーの任意の部位、時相に外部より電気刺激を印加できる実験システム構築の基礎となる,スパイラルリエントリー中の興奮波面の速度と移動方向を計測された画像より同時に抽出する手法を開発した。 (4)上記の高機能な刺激印加システム開発のための重要な構成要素として,透明電極を用いた刺激印加装置を開発し,これを点電気刺激電極付近で発生する仮想電極現象(Virtual Electrode Polarization : VEP)の計測に応用し従来に無い時間分解能・空間分解能でどう現象を観測することに成功した。 (5)心臓膜電位光学マッピングシステムにより得られる画像の任意の点における活動電位の再分極相を実時間で認識し、一定のdiastolic intervalをもって点電極から刺激を印加するシステムを試作し,パイラルリエントリーの任意の部位、時相に外部より電気刺激を印加する技術の基礎を構築した。 以上より新たな不整脈治療法研究への展開を可能とする実験技術を開発することができたと考えられる。
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