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2004 年度 実績報告書

骨再生用組織工学ハイブリッドマトリックスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14380398
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

早川 知克  名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (00293746)

研究分担者 野上 正行  名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90198573)
上田 実  名古屋大学, 医学研究科, 教授 (00151803)
キーワード組織工学 / 骨類似アパタイト / 炭酸カルシウム / ポリ乳酸 / インジェクション / 球体 / 中空体 / スキャホールド
研究概要

これまでの研究で、細胞組込型人工骨のためのマトリックス材料としては骨類似アパタイトを主相とするものが適していると考えられた。これを確かめるため、ヒト骨芽細胞をハイブリッド上で培養してその石灰化の状況を観察したところ、骨類似アパタイトを予め析出させておいたものは、析出させていないものに比べ、有意に石灰化が速いことがわかった。
一方、昨年度、作製法を開発した、中空球状材料ハイブリッドについて、その生成機構を考察した。流しだされたCPスラリーは球形となって溶媒中に存在する。溶媒を撹拌している間に、スラリー中の塩化メチレンは溶媒中に抜け出ていくため、ポリ乳酸は小球体の外側から固化する。塩化メチレンには安定化剤として塩酸が若干含まれており、CPスラリー中の炭酸カルシウムを分解する。これにより発生した炭酸ガスは、球の骨格であるポリ乳酸の隙間を通って小球体の外側へと少しずつ抜け出ていく。発生した炭酸ガスがやわらかいポリ乳酸の膜を押し広げることで、球が急激に大きくなり、中空化しはじめる。その後ポリ乳酸が固化しはじめると球の成長が止まり、炭酸カルシウムの溶解によって発生した炭酸ガスが球内部で増加し、それらが会合して球内部に大きな空洞を作ることになる。生成する球体の直径は1mm程度となり、さらに小さな球は得られにくいことがわかった。中空化した部分は偏芯しているため、エッチングにより容易に、外部との連絡通路を確保できた。この球状ハイブリッドは炭酸カルシウムが一部分解しているためにアパタイト生成能は低下している。そこで、塩化カルシウム水溶液にいったん浸漬した後、擬似体液に浸漬することでアパタイトを迅速に生成させることができることがわかった。中空球の外壁、内壁表面にアパタイトが生成した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Preparation of Calcium Carbonate Composites and Their Apatite-Forming Ability in Simulated Body Fluid2004

    • 著者名/発表者名
      H.Maeda 他
    • 雑誌名

      J.Ceram.Soc.Japan 112

      ページ: S804-S808

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 骨再生医療用スキャホールド材料の開発2004

    • 著者名/発表者名
      春日敏宏
    • 雑誌名

      セラミックデータブック 32

      ページ: 171-174

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Preparation of Calcium Carbonate/Poly(lactic acid) Composite (CCPC) Hollow Spheres2004

    • 著者名/発表者名
      H.Maeda 他
    • 雑誌名

      Key Engng.Mater. 254-256

      ページ: 533-536

  • [雑誌論文] Apatite Formation on Titania-Vaterite Powders in Simulated Body Fluid2004

    • 著者名/発表者名
      H.Maeda 他
    • 雑誌名

      J.Eur.Ceram.Soc. 24

      ページ: 2125-2130

  • [雑誌論文] Bonelike Apatite Coating on Skeleton of Poly (Lactic Acid) Conposite Sponge2004

    • 著者名/発表者名
      H.Maeda 他
    • 雑誌名

      Mater.Trans. 45

      ページ: 989-993

  • [雑誌論文] Preparation of Bioactive Calcium Pyrophosphate Glass-Ceramic Foams2004

    • 著者名/発表者名
      Megumi Sasaki 他
    • 雑誌名

      Proc.20^<th> Inter.Cong.Glass

      ページ: P-12-012

  • [図書] Biomaterials and Tissue Engineering(分担執筆)2004

    • 著者名/発表者名
      Toshihiro Kasuga 他
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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