研究課題
基盤研究(B)
本研究では、細胞の骨再生能力を十分に発揮させ、さらに生体吸収性をもつ新型マトリックスを設計した。骨芽細胞培養によるインビトロでのバイオミネラリゼーション能を比較することにより、細胞組込型人工骨のためのマトリックス材料としては骨類似アパタイトを主相とするものが適していることを明らかにした。マトリックスの形状としては多孔質形態のものが三次元培養のために重要である。そこで、炭酸カルシウム(バテライト)とポリ乳酸を複合化した生体吸収性材料を多孔質化する方法を開発し、さらにバイオミメティック法により骨類似アパタイトをその骨格表面に生成させたハイブリッド材料を作製した。気孔率75%、かつ100μm程度の連通孔を多数もつ多孔体で、骨芽細胞が容易に進入できることを確認した。臨床応用からみれば、術式が簡単で患者に対して負担の少ないこと、操作性の良いことが重要である。そこでさらに、上記のハイブリッドマトリックスを粒状化して培養骨細胞と混和し、これに適当な生体吸収性増粘剤を加えた構成として、細胞組込型インジェクタブル人工骨の開発を目指した。インジェクタブル人工骨用マトリックスの形状としては、シリンジを通過しやすい球体が好ましく、またこれが中空であればその中に骨芽細胞を付着させて注入時の細胞への機械的ダメージを抑えることができる。本研究ではとくに、このマトリックスの成形法を中心に検討した。バテライト/ポリ乳酸混合物の塩化メチレン溶液を水溶液に滴下して球体を作製するW/Oエマルジョン法の応用により、球状化できた。得られた球体は約1mmの直径で、かつ、内部が中空化しており、これを化学処理により開口(外部との連絡通路を確保)することもできた。これは溶解性の高い炭酸カルシウムナノ粒子を用いたことで達成された。ヒト骨芽細胞は球の内部に良好に接着し、増殖した。新型スキャホールドとして有望と考えられた。
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