| 研究概要 |
本研究の目的は,歯科インプラント施術の機能的な評価を行うため,臨床チェアサイドで使用できるインプラント評価システムを開発し,またインプラントの機能評価指数を確立することである。研究期間は3年で,まず臨床使用に適した測定条件の検討,インプラントの機能評価指数の検証を行った後,インプラントの機能評価システムIMDおよび測定プロープIAPを設計,試作,臨床評価を行って,臨床用歯科インプラントの機能評価システムの開発を完了する。平成14年度および15年度においては,インプラントの動揺を模擬した植立模型を試作し,機能評価指数を検証した。さらにインプラント機能評価システムおよび測定プローブを試作した。平成16年度は以下の内容について研究を実施した。
(1)インプラント機能評価システムIAD201および測定プローブIAP2の評価
平成15年度に製作したインプラント機能評価システムIAD201および測定プローブIAP2を用いて,標準的なインプラントの動揺植立模型を測定し,多数のデータを採取しながら,インプラントの機能評価指数の確認,臨床使用上の問題点や測定精度等を十分に検討した。またチェアサイドでの歯科医の操作性等のヒューマンインタフェースにも検討を加え,次のインプラント機能評価システムIAD301および測定プローブIAP3の設計指針を得た。
(2)インプラント機能評価システムIAD301および測定プローブIAP3の設計・試作
(1)での検討結果をふまえ,チェアサイドでの使用を目的とした最終的なインプラント機能評価システムIAD301および測定プローブIAP3を試作,購入した。本装置では,(1)での検討結果をふまえ,測定周波数を5000Hzまでとし,より正確なインプラントの機能評価指数を得られるように変更するとともに,プローブ先端を小型化して,歯科医の操作性を向上させた。本装置は岡山大学に設置したが,大阪歯科大学の研究分担者もデータの採取およびシステムの臨床評価を行って,最終的に臨床用歯科インプラントの機能評価システムを完成した。
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