研究課題/領域番号 |
14380406
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 嘉浩 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 主任研究員 (40192497)
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研究分担者 |
野川 誠之 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 再生医療バイオリアクタープロジェクト, 研究員 (90359117)
池淵 研二 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20175194)
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キーワード | 臍帯血 / 造血幹細胞 / CD34陽性細胞 / サイトカイン / 細胞固定化 / ナース細胞 / ES細胞 / 人工培養基材 |
研究概要 |
臍帯血中の造血幹細胞をその性質(自己複製能、造血再構築能)を保持したまま体外で増幅できれば、従来の移植細胞量の制限がなくなり、体重の重い成人の白血病治療など様々な治療に応用できる。また、ヒトES細胞の応用に関しては、まだ臨床応用可能な培養法の確立さえできていない状況である。最終年度では、ES細胞培養も含めて異種動物由来物を用いない培養系の確立を目指した検討を行った。 1.新しい不死化ヒトストローマ細胞の創出を行った。がんセンターとの共同研究で新たにテロメラーゼ遺伝子を導入した細胞を得、クローニングを行い、造血幹細胞増殖支持能のあるクローンを見出した。ただ、これまでのクローンでは、増殖能が高すぎるため、化学的に固定化して用いる必要があると考えられた。 2.造血支持能のあるナース細胞を脂肪細胞へ形質転換すると支持能が消失することから、支持能の有無による発現タンパク質の解析を二次元電気泳動で行い、その差が明らかとなり、DNAチップにより詳細な遺伝子解析を行った。 3.サルES細胞をヒト羊膜上皮細胞をナース細胞として使って培養できるようにした。霊長類ES細胞を、医療廃棄物として捨てられていた胎盤から得た細胞で培養できることを示した。 4.マウスES細胞を様々な培養基材上で培養して、その特徴的な増殖挙動を明らかにすることができた。グルタルアルデヒドで化学固定したナース細胞でもマウスES細胞培養が可能であることを明らかにした。さらに化学固定した細胞は冷蔵保存後も活性を保持していることが明らかとなった。
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