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2002 年度 実績報告書

ファージライブラリー法を用いた感染阻害剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14380411
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

佐藤 智典  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00162454)

キーワードファージライブラリー法 / ペプチド / 糖脂質 / インフルエンザウイルス / リポソーム / 感染阻害剤
研究概要

(1)糖脂質結合性ペプチドの作成と機能
GM1結合性ヘプタペプチドのセレクションにファージディスプレイ法を用いた。ライブラリーとしては繊維状ファージ外殻タンパク質PIIIのN末端に7アミノ酸残基のランダムヘプタペプチドを線状に提示させたものを用いた。
異なる溶出法により18種類のファージクローンを得た。中でも活性の高かったのは酸溶出で得られたファージクローンで、その7アミノ酸配列を化学合成したペプチドはシアル酸を有する糖脂質に選択的に結合した。また、コレラトキシンの最大結合量を50%阻害する時のペプチド濃度IC_<50>は20μMであった。その変異ペプチドを用いた結合活性の解析及び阻害実験を行った結果、ペプチド配列中に含まれるArgはGM1のシアル酸と静電的相互作用し、Pheがガラクトースとスタッキングすることにより結合しているということが示唆された。
(2)糖鎖レプリカペプチド脂質の作成とその機能
糖鎖の認識はペプチドで置き換えることができる。インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)は、宿主細胞の細胞膜のGM3やシアル化ルイスX等の糖脂質を受容体としている。HAは遺伝子交雑による抗原性の変化に伴う亜型が生じるために、亜型間にまたがる広域薬剤の開発が望まれている。多種のオリゴ糖鎖の活性を検討することは糖鎖の供給の問題で現実的に難しい。そこでヘマグルチニンに結合できる糖鎖レプリカペプチドを15アミノ酸のランダム配列を有するファージライブラリーから検索した。得られたペプチドは亜型の異なるヘマグルチニンに結合する能力を有していた。得られたHAに結合性を有するペプチドをリポソーム表面に固定化したところ、両亜型のインフルエンザウイルスのMDCK細胞への感染をin vitroで阻害することが見いだされた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Sato et al.: "Inhibition of Influenza Virus Infection by Hemagglutinin-Binding Peputides"Peptide Science 2001. 329-330 (2002)

  • [文献書誌] 佐藤 智典: "グライコーム"化学フロンティア. 171-179 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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