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温度応答性N-イソプロピルアクリルアミド、正荷電成分ジメチルアミノエチルメタクリレート、疎水性成分ブチルメタクリレートをモノマーユニットとし、相転移温度を25℃に有するランダムコポリマーについて、温度条件とDNA量の最適化を行った。
用いたポリマーはジメチルアミノエチルメタクリレートが20mol%、ブチルメタクリレート10mol%、N-イソプロピルアクリルアミド70mol%の仕込み比で重合したものである。前年度に用いた温度応答性のもの(ジメチルアミノエチルメタクリレートが5mol%、ブチルメタクリレート5mol%、N-イソプロピルアクリルアミド90mol%)に比べて、正荷電成分と疎水性成分に比率が高い。また、0.1μgと通常の量の約1/10のDNAをトランスフェクションに用いた点が今回の実験で新しく試した点である。DNAをトランスフェクションした後、64時間COS-1細胞を培養する中で、3時間だけ20度に冷却することで、遺伝子発現量が2倍になることがわかった。また、この遺伝子発現の増大は27度では得られないことがわかった。同じ条件ではDNAの量が少ないことで、市販の代表的な遺伝子発現試薬DOTAPでは遺伝子発現はほとんど得られなかった。(前年に用いたポリマーもほとんど発現なし)また、この発現する条件では細胞活性はコントロールの約80%であり、細胞毒性は低かった。
以上より、非常に少ないDNA量で、細胞毒性を低く抑え、効率よく遺伝し発現できるコポリマー組成が発見され、この組成は温度に応答して遺伝子発現量が増減できることがわかった。
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