研究概要 |
マイクロレーザースキャナーの開発:早期子宮内低侵襲治療のために、圧電カンチレバーを用いた2次元マイクロレーザースキャナーを開発した。子宮鏡の鉗子口(ワーキングチャネル)に挿入できるように、ツールは外径の2.0mmの円筒にパッケージングする。内部にレーザー伝送用光ファイバー、マイクロレンズ、反射ミラーを持ったマイクロレーザー走査装置(スキャナー)を含む。直径1.0mmの反射ミラーを2次元にスキャンニングすることで、体内において精密なレーザー照射を実現する。レーザー光源として、光ファイバーを通して蒸散、止血、凝固の使い分けができるカリウム・チタン・リン酸塩(KTP)レーザーを用いる。 現在までに、3本の圧電カンチレバーとシリコンマイクロマシニングを用いて作成したミラーからなるマイクロスキャナーを試作し、2次元動作を確認した。3本の圧電ユニモルフを平行に並べることで,圧電ユニモルフの変位を大きくしながらデバイス全体のサイズを直径2mm以下に抑えることができた。圧電ユニモルフカンチレバーの長さは7mm,ミラーの大きさはφ1mmとした。スキャナー部の大きさは外形2.0mm円筒内にパッケージングできる最終目標の大きさである。また、圧電カンチレバー先端とミラーの間に球体関節を挟み込んだ構造により、大きくミラーを傾けた際のカンチレバーとミラーに生じるねじれ角度の問題を解決し、26°の量大傾き角を得られた.また,電圧を印加するカンチレバーの組み合わせをコンピュータ制御によりコントロールすることで,ミラーを2次元方向にスムーズに駆動できることも確認できた.さらにKTPレーザーをスキャナーのミラーに入射しレーザー光の2次元走査を確認した。
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