研究課題
基盤研究(B)
胎児手術は、当初のopen fetal surgery(子宮を切開し直視下に胎児に施行する手技)から、次第に侵襲の少ないfetoscopic procedure(子宮切開を伴わない低侵襲内視鏡手術)へとシフトしつつある。本研究では、マイクロマシン技術を利用して超早期子宮内手術に役立つ内視鏡ツールの開発を行った。具体的には、リアルタイムで患部を観察・評価するツールとして超音波内視鏡を、処置用ツールとしてマイクロレーザースキャナーと集束超音波ツールの開発を行った。いずれのツールも上述の低侵襲内視鏡手術に適応できるように設計・作製された。糸と針を用いた縫合処置が困難な小さく勝つ脆弱な胎児組織に対し、光ファイバーを用いて体内へ導いた治療用レーザー光を体内で精密にスキャンし切開、凝固、蒸散など精密なレーザー治療を実現する装置を開発した。3本の圧電カンチレバーを用いて直径1mmのミラーを2次元に傾けレーザーをスキャンし、スポット径100μm程度での2次元走査を確認できた。さらに、外径3.8mmのポリマー製チューブ内に実装し、内視鏡の鉗子口への挿入に適した形状を実現した。超音波ツールは超音波ビームの指向性を制御し、凸形状振動子を8個有した外径3mmの振動子を用いてイメージングを行うツールと、凹形状振動子を用いて超音波を集束させ治療に用いるツールの2種類を試作した。イメージャーは凸形状振動子を8個有した外径3mmの振動子を試作し、水中においてアルミ板からの反射エコーを取得できており、今後、胎児組織を含めた体内組織の画像化を試みる。治療ツールにおいては外径6mmの集束超音波治療ツールを試作し、治療目的に必要な超音波強度が実現できていることを確認した。集束性の最適化、超音波トランスデューサー材料の最適化により外径2mm程度でも実用的なツールが可能と考えている。
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レーザー研究 33(2005年11月掲載予定)
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